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月明かりの追憶

第2章 奪われてくエナジー

・藤ヶ谷side

気がついたら怪我をしていたはずの傷が治っていて、何が起きたのか分からないまま辺りを見渡すと。



藤「北山?」



倒れている、あいつの姿を見つけ。



藤「まさか嘘だろ?」



慌てて傍へ寄り、その身体を強く抱きしめる。



藤「北山、なぁ北山ったら目を開けてくれ北山あぁ」



けど、揺さぶっても何してもこいつは目を覚まさないんだ。



藤「嘘だ!」

横「太輔」

藤「わた、息してねんだ北山」

横「なに!」

戸「嘘、ほんとに」

二「ミツ、ねぇ起きて」

玉「冗談だろ」

千「あり得ないって」

宮「キタミツ」

河「ふざけんな、こんな時に寝ているんじゃねぇよ」

五「お願いだから起きて北山」

塚「こんなのって…ない」

橋「やだ、やだやだ死んだらダメだぁ」



なんで?どうしてこうなる俺は、また護りきれなかったのか。

いや、こいつは北山だけは失いたくはない頼む返してくれ俺の大事なシンメを。



横「太…輔‥もう」

藤「俺は諦めない」

塚「気持ち分かるけど」

藤「こいつは絶対に戻って来る」

河「でもな」



なぁ、一度だけでいいキスしてもいいか?



二「何をする気?ガヤ」



お前は覚えてないんだろうけど俺ら前世で恋人同士だったとはいえ、それすらした事がなかったんだぜ。

だから1度だけ、なっ?



玉「ガヤ!?」

宮「ガヤさん」



俺は心の中で呟くと、その唇に自分のをそっと重ねる。



千「ええっ!?」

戸「おまっ」



そして頬をつたう涙がその瞼を濡らし、と その時。



橋「なに?これ」

宮「パワーストーンが光ってる」

河「ハッ、俺のもだ」

五「どういう事?」

塚「俺らのもだよ」

ポ「愛の力が奇跡を呼んだのです」

戸「ポッキー」

ポ「みんなで宏光と藤ヶ谷くんを囲って」

戸「分かった」

河「よし円陣を組む、いいか」

一同「おう」

ポ「そして願うのです想いを込め」



“北山、キタミツ、ミツ、宏光、戻って来い!みんな待っているから”

ピカァーッと輝きを増す光り、すると温かいオーラに包まれたような気がし唇を離し眼を開くと。



「エリオ…」



えっ、この声はセレネ?



「ありがと、エリオ」



目の前の北山が、プリンセスとなって現れ。




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