テキストサイズ

月明かりの追憶

第3章 魔の刻 再び

・藤ヶ谷side

それから、どれくらい時間が経ったのだろう。

ギィーバタンと、再び扉を開ける音がして誰かが入って来たのが分かった。



藤「岬か?」



が、そいつは何も言わず突然ピカッと淡い灯りが点いたかと思ったら。

なっ、ここって!?



岬「シェルターさ、フッ」

藤「てめぇ、ハッ」



その腕の中に抱かれている北山を見て、キッとこいつを睨みつける。

しかし、全く動じず。



岬「心配しなくとも眠っているだけだ」



そう言うと、ソファーベットのような所へ寝かせ。



岬「さてと、フッ」

藤「何をするつもりだ」

岬「あれ覚えてないの俺、ちゃーんと言ったはずだよ陵辱するって、ククククッ」

藤「なっ」

岬「しっかし本当に可愛い顔しているよな」

藤「よせ、やめろ」

岬「クククッ、あはっは、いいねいいねぇー必死な感じが益々やる気を起こさせる」

藤「なに!」



狂っている、こいつは。



岬「クールぶってるその顔を一度、崩してやりたかったんだ」

藤「俺が憎いなら俺だけにすればいいだろ」

岬「それじゃあつまらないじゃん、それに ニヤッ」



そうだった、こいつは北山を。



岬「って事でしっかりとその眼で見ていろよ、プ・リ・ン・ス、にやっ」

藤「なっ」



そう言うと服のボタンを1つまた1つと、これ見よがしに俺の前で脱がしていき。

ニヤニヤと笑いながら―

やめろ、こいつに触れるんじゃない!よせ、触るなぁ。



藤「北山、目を覚ませ北山あぁーっ」



頼む、起きてくれ!クッ



藤「やめろ、やめろおぉ」

岬「あははは、あはははは、アッハハハ」



心が悲鳴を上げる、もがき苦しみながら露わになる愛しき人の肌を目の当たりにし。

助けることが出来ない不甲斐なさに身を置きつつ。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ