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月明かりの追憶

第3章 魔の刻 再び

・藤ヶ谷side

だから、そんな眼で見るなって。



北「藤ヶ谷あぁーっ」

岬「ビシッ、バシッ」

藤「くっ、あっ…ふ」

北「よせ、やめろおぉ」

岬「なら俺のものになるか?ニヤッ」

北「くっ」



バシッ!



藤「あっ、くぅー」

岬「ビシッ」

藤「ぐふっ」

岬「バシッ、ビシッ」

藤「うぐぐ」

北「やめてくれ、これ以上こいつを叩くんじゃねぇ」



ギュッと北山は、俺を庇うかのように身体へ抱きついて来て。



藤「大…丈夫‥だ…って‥言ったろ‥フッ」

北「でも、んでもな」

藤「…どう‥って事…ねぇよ…ニコッ」



お前を護るためなら、これくらいの痛み耐えてみせるさ。

俺は、今にも泣き出しそうな自分の相棒へ微笑みかける。



岬「おい俺を無視し2人だけの世界になってるんじゃないよ」

北「そんなんじゃねぇわ」

岬「じゃ、なに」

北「今度こそ本当に約束を護るんだろうな」



北山?



岬「俺の目的はただ1つ、お前を手に入れること」

藤「ハッ、だめ…だ」

北「ふっ、そっ」

藤「よせ、クッ」

北「絶対だぞ」

藤「北山!」

岬「あぁ、やることが済んだら こいつは解放してやるよ、ニヤッ」



やめてくれぇー



岬「じゃ、さっそく」

藤「岬!」

先「藤ヶ谷お前はそこで見ていればいい、クスッ」



すると、北山は俺から離れて行き。



藤「行く…な‥やっ…め」



手が縛られていなかったら、お前のこと絶対に離したりしないのに。

そして俺の言葉に振り返ると、ふっと笑みを浮かべ。

ソファーベットへと、腰を掛ける。

なんで…だよ‥クッ…こんなのちっとも嬉しくなんかない。

分かっているだろ?お前だって。

俺は必死な形相で訴え続けた「やめてくれ頼むと」だが北山は。

慟哭の嵐が今まさに俺達の上へ降り注ごうとしていた、その絆を試すかのように。




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