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月明かりの追憶

第3章 魔の刻 再び

岬「見るがいい、これがその魔の手だ」



と、こいつの手がグロテスクな物へと変化して。

それはザラっとした感触がし、まるで怪獣か恐竜みたいな色をしていやがってよ。



藤「北山あぁーっ」

岬「ふふふ、アハハッ、それがどういう意味だか分かるよな?藤ヶ谷 ニヤッ」

藤「くっ」

岬「この手で落とすことで、そのエナジーはガーラさまのもとへ届けられる」

藤「やめろ、そんなことをしたら北山は」

岬「死ぬんだろ、クスッ」

藤「‥‥っ」



死ぬ俺が?



岬「構わないさ、それまで存分に可愛がってやるから俺を苦しめた罰として」

藤「貴様あぁーっ」

岬「防いで見せるか地球のプリンス」

北「…プリ‥ンス?」

岬「けど今のお前には何も出来はしない、クククッ」



不気味に笑う岬。



岬「さぁ昇りつめエナジーを放出しろ」

北「やっ…め‥」



その手は、いつの間にかズボンを下げ俺のモノを掴んでやがり。



藤「北山、北山あぁ」

北「藤‥ヶ…うっ、ああっ」



とたん物凄い勢いで押し寄せて来た快感に、俺は堪えきれず叫び声を上げた。



岬「いいぞ最高の表情だ」



なんとか逃れようと、四つんばの状態で前に進もうとするが。

こいつは俺をしっかりと掴み離さなくてよ、その力はどうみても人間じゃない。

だっ、ダメだ頭が真っ白になってしまう。

気が遠くなりそうになるのを必死で抑えながらも、俺は手を伸ばす。

目の前でなんとか傍へ来ようとしている相棒へ―

藤ヶ谷、藤ヶ谷、俺の手を握っていてくれ頼む。

そうすればきっと、この地獄を耐える事ができる気がするから。

お前に触れてさえいれば。

涙で霞んで見えるあいつの姿、そこにハッキリと差し出された手を見たとき。

俺の中で、光が闇を蹴散らしたのを感じる。

そして、その確かな温もりの中で静かに瞳を閉じたんだ。

ありがと、これで安心して眠れるわ。

お前の腕に包まれて―




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