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月明かりの追憶

第3章 魔の刻 再び

・藤ヶ谷side

藤「北山、北山あぁ」

北「藤‥ヶ…うっ、ああっ」



俺は、あいつの傍へ行こうと縛られている椅子ごと前へ進んでく。



岬「いいぞ最高の表情だ」

藤「くっ、このぉー」

岬「おや哀れな姿だな少し情けをかけてやるよ、せめて手だけは解放してやる」



と、スルスルっと縄が解かれ胴体と足だけが縛られた状態となる。



岬「これで触れるくらいは出来るだろう近くに来て目の前で愛しいプリンセスが魔に支配されてくのをその眼で見届けるがいいさ」



バカにしやがって、クッ

北山も、なんとか魔の手から逃れようと四つんばになり俺の方へ進もうとしていた。



北「…藤‥ヶ谷…クッ」



しかし、その表情はかなり限界に来ているみたいで。



藤「北山!」



待っていろ今、行く。



岬「そうだ早くここまで来い俺は心が広いから、お前が来るまで中へ挿れるのを待っていてやるよ」



挿れるだぁ!?絶対にさせね、そんなこと。



北「藤ヶ谷…くっ」

藤「北山あぁーっ」



俺は、渾身の力を振り絞り手を伸ばす。



藤「うおおおっ」



ギュッ!

が、その手が結ばれたとたんに。



北「ニコッ」

藤「なっ」

北「ふっ…思い‥出した」

藤「なにを?」

北「俺と…お前の‥前世…くっ‥月の伝説…あのとき何があっ‥たのか‥藤ヶ谷…お前は俺‥の」

藤「もういい喋るな」

北「ふっ…大好き‥だぜ」

藤「えっ」

北「大…好き‥フフッ」

藤「北山」



その瞬間、自分の唇に重なった柔らかな唇。



藤「‥‥っ」



ピカーッと光りが放ち。



岬「うわあぁ!?なんだこの光りは、やめろ手がガーラさまから貰った俺の手が」



何が起こったんだ!?

ハッ、まさか!こいつまた月のエネルギーを。



藤「北山!」



俺は慌てて目の前の相棒を見る、しかしその表情は何故だか幸せそうな顔をしていて。

えっ、寝ているの?おまえ。




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