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月明かりの追憶

第3章 魔の刻 再び

耳を澄ませば、スヤスヤと寝息が聞こえ。

くっ、なんだよ心配させやがってこのバカ。

涙が…溢れてく。



藤「良かった無事で本当に良かっ、クッ」



まだ終わったわけではないのは分かっていながら、俺はその寝顔を見てホッと胸を撫で下ろしていたんだ。



岬「くっそーよくも、このままじゃ済まさないぞ更にもっと強い力をガーラさまから頂き今度こそお前を俺のものにしてやる」

藤「よせ、これ以上からだの中へ魔を取り入れたら人間ではなくなってしまう」

岬「構うものか」

藤「お前どうしてそうまでして俺達に固執する?」

岬「ふっ、藤ヶ谷には分からないだろうな」

藤「‥‥っ」

岬「周囲のみんなに愛され恵まれた環境の中にいた奴にはよ、クッ」



寂しかったってわけ?



岬「まっ、いい暫くはそこで2人してラブラブしていれば、だが次に来たときには覚悟しておくんだな」



そう捨て台詞を吐き、岬は出て行き。



藤「北山」



俺は、なんとか縄を解くと寝ている相棒のそばへ寄り自分の腕の中へその身体を包み込んだんだ。

眠れ今はゆっくりと休めばいい、けれどもう無茶はするな。

次に奴が来たときは俺が、お前を護るから必ず。

きっと北山の夢の中にいる俺達は、いつものようにふざけ合い笑い合っているんだろうな。

お前の顔を見ていれば分かる。

ガーラとかいう奴、あの時も名前を聞いた汚い手を使いやがって許さねぇ。

だが何を仕掛けて来ようと企もうとも、俺とこいつを引き離すことは絶対にできないんだ

俺達は運命共同体なんだから、そうだろ?ニコッ

それから、その額にキスを落とし自分も眠りについた。

北山と一緒に、夢の世界へ身を置く為に。





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