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月明かりの追憶

第3章 魔の刻 再び

・北山side

俺は、優しい温もりの中で目を覚ます。

つうか重い…

上に乗っかっているのまたお前か、あの時もそうだったわ。

けど、その寝顔を見ていたら心が締めつけられ苦しくなる。

だって、こいつ眼にいっぱい涙を溜めてやがるんだ。

ごめんな、また心配をかけてしまい。

それに、お前が必死で俺を護ろうとしたことまで忘れてしまってよ。

が、取り合えず退けないと。そう思い、藤ヶ谷の腕を持ち上げた次の瞬間ぎゅっと。

うわっ!?

まるで、刃向かうかの如く抱きしめて来て。

おい、こら放せ。

再び退けようとするが、抑え込まれどうする事もできない。

あぁーもう、どうすんべ仕方がないから目を覚ますの待つとするか、フッ

暫くし―



藤「ぅ…うーん‥」

北「藤ヶ谷、藤ヶ谷ってば起きろ」

藤「んっ?」

北「んっ?じゃねぇ起きなきゃ蹴り飛ばすぞ」

藤「うわっ、なに?」



ふぅーやっと起きた。



藤「北山!」

北「じゃねぇよ、なんでまた俺の上で寝てるんだわ重いったらありゃしない」

藤「あははっ」

北「笑ってないで早くどけ」

藤「悪い、うっ…くっ




と、身体を動かした途端に藤ヶ谷は呻き声を上げ。



北「どうした?ハッ、ちょおまえ服を脱いでみ」

藤「いいって」

北「いいから脱げって言うことを聞け」

藤「うわっ」



俺は、無理矢理こいつの服を剥ぎ取る。



北「なっ!?」



そして、その身体を見て絶句してしまった。

肩、胸板、腕、そこらかしこに打たれた痕が生々しくあり、みみず腫れとなっていて。



北「藤…ヶ谷‥クッ」

藤「たいした事ない」

北「なわけ」

藤「北山」

北「んっ?」

藤「それより俺、聞きたいことがあるんだ」



なに改まって?



藤「本当はもっと前に聞きたかった、けどおまえ記憶をなくしてしまっていたから言えなくてさ」



そう言うと後ろから、ふわっと俺を腕の中へと包み込み。



北「ちょ!?」

藤「顔を見て言えないし」

北「だからって」



何故だか心臓は、ドキドキドしてるしマズいっしょこれ。




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