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月明かりの追憶

第1章 はじまり

・横尾side

この日、キスブサの収録の合間どうしようもないほどの睡魔に襲われ。

俺は、こっくり夢の中へ誘われていた。

煌びやかな宮殿、目の前には愛らしいお姫さまがいる。

んっ?



「プリンセス セレネ様、なりませぬ、それだけは許すこと叶いません」



気のせいかな?あいつに似ている…



「どうしてです?」

「彼、エリオ殿は地球のプリンスあちらには月の世界にないものがあります」

「それはなに?」

「人の心が作り出す邪悪な闇、魔の心」

「魔?」

「人間には生まれながらにして善と悪が備わっています、その悪の部分を魔物が狙って巣くうのです」

「でも彼は大丈夫よ」

「それでも魔は貴女さまを狙って来るでしょう」

「なぜ?」

「セレネさま代々王家に生まれて来る姫さまの中で左の首筋に月の印しを成す者は神の加護を受けた姫と言われています」



しかし、なんだろう?このファンタジックな夢は。



「それが、どうしたというの?」

「今までは、そのような危険がありませんでしたから私も黙っていましたが」

「なんです?言って下さい」

「そのエナジーを吸い取ると永遠の命を得られると言われ魔物が狙って来るのです」

「‥‥っ」

「ですから」



まるで、許されない禁断のLoveストーリー。



「でも私は」

「われらが護ります大使」

「全力で護りますゆえ」

「プリンセスに何かあれば、この国は滅びるのだぞ」

「分かっております」

「この身に代えても」



ちょ待て、こいつらってまさか。



「火星を守護に持つマーズ水星を守護に持つカイト」

「はっ」



健永とニカじゃん!?



「木星を守護に持つトカシ金星を守護に持つジュピ」

「はっ」



宮田に裕太ってことは…



「その言葉に、二言はないな」

「ありません」



この大使とかいう男、俺!?あり得ない、アハッ

夢だ、うんこれは現実じゃないんだから。



「…さん」



だいたい、実際にそうだったら驚きもんさ。



「…尾さん」



あいつが姫君だって笑っちゃう、つうか怒るんだろうなぁ、クスッ



北「起きろってば横尾さん」

横「うわっ」

北「いつまで寝ているんだわ収録、始まっちまうぞ」

横「ミツ!?」



やっぱり、あり得ないよ。




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