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月明かりの追憶

第1章 はじまり

玉「珍しいね、わたがミツに起こされるだなんて」

二「いつもと逆じゃん」

横「あり得ない…絶対に‥あり得ない…ブツブツ」

藤「わた?」



けれど、それからもその夢を見続けていく。



「たっ、大変ですセレネさまが」

「なに魔物に拐われた」

「申し訳ありません」

「捜せ、なんとしても見つけ出しお救い申しあげるのだ」

「はっ」



またこれ、それもちゃんと続きになってるし。



「必ず俺が助け出す」



あれは、太輔?



「エリオ殿あなた様が悪いとは申しません、しかし」

「分かっている魔は俺の後を追って来たのだ、クッ」

「お願いです、あの方はこの国の唯一の後継者、父君亡き今、他にはおりません」



でも、不思議な感覚に包まれていた。

これって何か意味があっての事なのかな?前に太輔が俺に話していた夢と同じ。

そう思い始めていた、ある日のこと。

それは、音楽SP番組の収録のためテレビ局の楽屋でメンバーと過ごしていたとき事は起きてしまう。



横「あれミツは?」

藤「あいつなら用足しに行ったけど」

横「そっ」

宮「でも遅くない?」

玉「そういえば15分以上も前のことだよね」

横「15分?トイレは目と鼻の先でしょ何をやっているんだよ」

千「俺も行って来るから様子を見て来ようか」

横「お願い健永」

千「分かった」



が、暫くし。



千「うっ、わああっ」



健永の悲鳴にも似た叫び声が聞こえ。

なに今の!?

俺らが慌てて廊下へ飛び出すと。



千「ばっ、化け物が」



そこにいたのは、何本も手がある巨大な生き物で。



玉「なにあれ」

二「嘘だろ!?」

横「はっ、ミツ」



その手の中には、気を失っているミツの姿が。



藤「助けるんだ」

宮「でもどうやって」

二「くっそ」

玉「ミツを放せ、この化けもんが」

横「裕太」



そこへ。



河「どうした?」

五「何があったわけ」

塚「なっ」

橋「かっ、怪獣!?」

戸「ちがう魔物だ藤ヶ谷」



魔物だって!?

俺達は、得体の知れない化け物を目の前にし成す術もなく立ち尽くす。

ミツを奪われたまま―




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