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月明かりの追憶

第4章 募る想い

そんな、ある日のこと。

久々のオフで、独り自分の家でテレビを見ていたときそれは起きる。

プツン!



藤「えっ?なんだよこれ」



いきなり、スイッチが切れ画面いっぱいに映った顔・顔・顔。

全部、俺じゃん!?



藤「はっ?」



とたんニヤッと笑い、それを見た瞬間に意識が途切れ気がついたときには。

あれテレビついてる、なんでかな寝てしまったわけ?

しかし変な夢だったなぁ、あまり覚えてないけど。

夢だから当たり前、このときはそう思い気にも留めず。

まさか、自分が魔に取り憑かれるだなんて思ってもみなかったし。



「さぁプリンス前世で叶わなかったその想い、今こそ果たすがいい我が力を貸すぞ」



全てが、あいつガーラの思惑通りだったとは知らないまま。

ドンッ!



北「なっ、なに?藤ヶ谷」

藤「‥‥‥」



俺は、その思いを北山にぶつけてしまったんだ。

翌日の楽屋で―



二「ミーツ、んふふっ」

北「くっつくなよ、もう」

二「嬉しいくせに、クスッ」

北「ばーか、フッ」



相変わらず、ニカとイチャイチャしている姿を見て腹が立ち



北「ちょ、離れろってば」



トイレの個室の壁に押しつけ、近づけば焦ったように視線を逸らす瞳。



藤「お前さ」

北「なに、クッ」

藤「ふっ、まっいいや今回は許してやるよ」

北「はっ?意味わかんねぇし」



そう、岬の件も俺の心に隙を作る為だったなんて。



藤「だが次は」

北「‥‥っ」



そんな俺を北山は、悲しそうな瞳で見つめていたっけ。

何か言いたげに―




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