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月明かりの追憶

第4章 募る想い

玉「本当さ後ろに影が見え、それがどんどん大きくなっている」

北「それって」

玉「確実に闇に捕らわれている証拠」

横「俺はこうなるのを危惧していた、だから忠告したのに」

北「横尾さん」

玉「でも最初っからこれが目的だったのかもしれないな」

北「えっ」

玉「あの岬裕弥って人のこと」

横「あいつが、あそこまで太輔に固執してるとは思わなかったけど」

玉「魔はそれを利用した」

横「太輔とミツの気持ちを揺さぶる為に」

北「俺ら二人の」

玉「仕組んだって事さ」

北「なっ」

横「策略があまりにも簡単すぎた結果は見えてたし」



言われてみれば確かに…



横「内から攻めた方が上手くいく、そう考えてもおかしくはない」

北「俺はどうしたらいい」

玉「ガヤは魔と同化してるわけじゃない心が取り憑かれているだけ」

北「じゃ浄化は」

横「俺やトッツーでは無理だと思うミツでないと」



俺が!?



横「太輔のミツへの想いは本物さ魔のせいじゃない」

玉「それを抑えきれず、つけ込まれてしまったって感じ」



やっぱり、お前は俺のことを。



玉「前世では叶わなかった想いミツにもあるんじゃない」



そうかもしれない、だから心は反応してしまう。



横「その記憶が無いミツとある太輔」

玉「ガヤのほうがよっほど苦しかったと思うよ」



俺が藤ヶ谷を受け入れさえすれば、魔から解放されるのかもしれない。

横尾さんは言う―



北「ちょ、待てって」

横「無理しなくてもいい嫌なら他の手を探せばいいんだから」

玉「でも俺達はミツもそうなんじゃないかと思ったから聞いてみただけさ」



なんで二人とも、俺の気持ちが分かるんだよ。



横「ねぇミツ、世の中には男と女しかいない同性とか異性に拘らなくてもいいんじゃない」

玉「二人の想いが純粋なら不純とか汚いなんて思ったりしないし」

北「ふっ、タマ」

横「人として愛し合っている、それも有りだと思う」

北「ありがと、なんか吹っ切れた気になれたわ」

横「なら良かった」

北「んでも、もう少し考えさせてくんない」

横「あまりゆっくりはしてられないよ」

北「分かっている」

玉「決心がついたら言ってね」

北「あぁ」



それから、何日か日が経ち。




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