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千年の花嫁

第8章 希望の花嫁③

・北山side

まどろみの中、ふと前を見れば。



玉「ねぇガヤ、いいだろ」

藤「だーめ」

玉「ケチ、俺とガヤのことミツに言っちゃうぞ」

藤「なんだよそれ、クスッ」



金狐に懐き、ベタベタしている白狐の姿が目の中へ飛び込んでくる。

タマ?



玉「みーつぅ」

藤「バカ起こすな、せっかく気持ちよさそうに眠っているんだから」

玉「だったら」

藤「だめなものはダメ」

玉「うっ」

藤「そんな顔をしても」

玉「ガヤ冷たい」

藤「はいはい、フッ」



この二人、どういう関係?



宮「タマ、準備はできた」

玉「いーだアッカンベー」

藤「はっ?」

玉「行こう宮田」



そういうと、不機嫌そうに出て行くタマ。



藤「やれやれ ハァ、んっ?」

北「ジーッ」

藤「あれ?いつ起きたんだ」

北「さっき、ジーッ」

藤「ふーん」

北「ジーッ」

藤「なに?」

北「あれなんだわ?」

藤「はっ?なんのこと」

北「太輔とタマの関係ってなに?」

藤「聞いてたの」



とたん、焦ったように太輔は近づいて来て。



藤「気にするな気にしなくていいタマは腹黒だから時々意味不明なことを言うだけだし」

北「それだけ?」

藤「あ、うん」



こいつ、嘘をついているな。



藤「それより、お腹すいてない?飯にしようか」



そうさ、考えてみればそうじゃん。



藤「宏光?」



これだけ、バリバリ性欲があるんだぜ。



藤「聞いてる?」



しないで何百年、何千年なんていられるわけがない。



藤「なぁ?」



だが雌はいない、となると相手は。



北「分かった」

藤「へっ?」

北「愛人、そうだろ」

藤「はあっ?誰がさ」

北「タマに決まってるじゃん」

藤「えっ」



否定しろ、否定してくれ太輔。



藤「ふっ、参ったな」



しないのかよ。



藤「タマと俺は」

北「もういい!」

藤「ひろ?」

北「嫌いだ太輔なんか嫌」



と、途端にギュッと抱きしめられキスして来る太輔。



北「んんっ、離せ、んっ」




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