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千年の花嫁

第9章 嫁合わせの儀

藤「おっ、来たな フッ」

五「どうも」

藤「あんまり機嫌よくないみたいだが大丈夫?」

河「そんなことはねぇよ、なぁ五関 ハハッ」

五「ふんっ」



愛想笑いなんかしやがってさ。



藤「じゃ次ハッシーを呼んで来い」



が、このあと思ってもみなかった奴との再会で俺の心は益々苛ついてしまう事となる。



戸「五関」

五「とっ、トッツー!?お前までいたなんて」



それも、既に女体化が始まっていると知り。

どうして?なんで俺らばっか、こんな目に遭うんだよ!クッ



戸「そんな顔をしないで俺は大丈夫だから。それより五関こそ」



なわけないじゃん、くそっ!

二階堂だって殆ど女になってしまってるんだ、トッツーお前そのこと知っているの。

苛々はピークに達し…



河「良かったなダチに会えてよ、ニコッ」

五「どこが、クッ」

河「ぁ…あぁ‥いや…ほらこれで寂しくないんじゃないかと思ってさ ハハッ」

五「郁人に、何が分かるっていうんだ」

河「えっ」



とうとう俺は、その感情を吐き出してしまう。



五「そんなふうに思った事なんてないくせに分かったような口きくな」



自分で、どんな酷いことを言っているのか自覚していながら。



五「いつもヘラヘラ笑ってやがって、どうせ頭の中はエロい事しかないんだろ」



その胸の内も知らず…

郁人が孤児だと知ったのは、このあと俺たち4人だけで話しをしたときだった。

が、それでも俺は。

心は散々に乱れ自問自答を繰り返しながら、まるで自分の感情に振り回されるかの如く翻弄されて行き。

なんで?どうしてだよ。

でも、その苦しみから抜け出したくて手を伸ばした先にいたのは。

認めたくなくても、心が身体がそれを求めてしまうものなんだってことを全てが済んだとき痛感する。

なら流れに身を任せるしかないんだと。

けど、それは諦めの境地とかじゃなく俺なりに出した答えでもあったんだ。

ここで生きていく為の…




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