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千年の花嫁

第9章 嫁合わせの儀

・北山side

北「なぁ、まだかぁ?」



俺は一番最後だと、太輔に言われた。



玉「まだだよ、ミツ煩い」

北「タマこの間から冷たいな、どしてだ?」

玉「別に」



広間へ入る順番は、婚儀を行った順だからって。



北「早くみんなのところへ行きたいわ」

玉「はいはい」



だから、仕方なくタマと控え室で待っていたんだけど。



北「もう無理だ我慢ができね」

玉「えっ」



ダダダッと走り出す俺。



玉「ダメだってば、ミツ」



こいつが止めるのも聞かず、広間の方へと向い。



玉「マジで怒られちゃうからさぁ」



でも普段、俺とタマがいる部屋はその裏側にあたり。



北「顔を出さないで覗くだけならいいだろ?」



だから初めはほんと、そのつもりで隙間から中の様子を伺っていたんだ。



玉「まったく我が侭だなぁ絶対に飛び出したらダメだからね」

北「分かっているって、それくらい」



けど…

あっ、あの青い着物は後ろ姿からして五関かな?



玉「もう走ったから着崩れしちゃってるじゃん」



ってことは、その隣にいるピンクの着物を着ているのがトッツーってこと。



玉「せっかく綺麗にしたのに、ハァ」



ニカは、まだ来ていないみたい。



玉「ミツ、聞いてる?」

北「んっ?あ、なに」

玉「はぁ」



と、そのとき扉が開き。



「うおぉーっ、なんという艶やかさ」



ザワザワザワ―

周囲の歓声と共に、緑と銀の着物が眼の中へ飛び込んで来てさ。

はっ、ニカ!




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