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千年の花嫁

第9章 嫁合わせの儀

五「二階堂、お前がここにいるって聞いたとき俺は、泣いてるんじゃないかって凄く心配で居てもたってもいられなかったんだ」

ニ「えっ」

五「傍に行ってやりたいと何度、抜け出そうとしたかしれない。けどその都度、郁人に見つかってヤられてしまい、クッ」



でも―



五「お前だけは俺の気持ち分かってくれると思っていたのに」

戸「分かるよ俺だって」

五「じゃ…なんで‥どうして堕ちてしまったんだよ」

戸「だから、それは」

五「お前らガッカリだぜ妖狐なんかに取り込まれやがって」



あのとき、千賀に言われた言葉が脳裏に浮かび。



ニ「じゃ聞くけど」

五「なに?」

ニ「ごっちは、その郁人って妖狐の何を知っていてあいつの事そういう奴だって判断しているの」

五「えっ」

ニ「どんな親から生まれ育ち自分に会うまでどう生きて来たか知ってて言っているわけ?」

北「ニカ」

ニ「一度でもあいつのこと知ろうとした事があるのかよ」

五「それ…は」

ニ「俺も同じことを言われたんだ、フッ」

戸「誰に?」

ニ「千賀、千賀健永 俺の世話係りに フッ」



“自分から知ろうともせず自分たちの気持ちばっか主張しているじゃねぇや”



ニ「ふっ、痛かったなぁーマジであの言葉」

戸「俺も藤ヶ谷に言われた妖狐とか人間じゃなく同じ心を持つ生き物として見てくれって、フッ」

北「太輔が」

ニ「あいつらはさ俺たち人間によって子孫を残す手段を今のやり方でなければ出来ないようにされてしまったんだ」

戸「本来なら恨まれても文句は言えないのに」

北「種族の違いを越え愛してくれようとしている」

ニ「なぁ頼む、もう一度 ちゃんと郁人のこと見てやってくれない?」

戸「五関」

北「俺からも頼むわ」

五「くっ」




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