千年の花嫁
第2章 甦った伝説
宮「この後どうしたらいんだ教えてよタマ」
そこには尻尾みたいな影が1本、2本…五本!?
玉「やだっ」
宮「えぇーお願い」
玉「ちっ、しょうがねぇなーまずは風呂に入って貰い」
宮「それからそれから」
玉「夜伽の白い着物に着替えさせ」
宮「うん」
玉「主さまを呼んで婚儀を行うため長の座まで行く」
宮「なるほど」
玉「覚えろよ、いい加減」
宮「タマが嫁さんを貰うまでには覚える」
玉「なんだそれ?」
妖狐、あの伝説の!?
思わず布団を跳ねのけ起き上がると。
玉「んっ?」
宮「こんばんわ俺、宮っち宜しくね ニコッ」
戸「きっ、きっ」
宮「あちゃービックリして声も出ないって感じ」
赤と白、2匹の狐みたいなやつがそこにはいてさ。
戸「うっ、わあぁー尻尾が五本!?わわわっ」
間違いない、あの妖狐だ!どうしよ。
橋「もーさっきから何をやっているんだよ2人とも」
あげくもう1匹現れてしまうし、こっちは白い尻尾が3本。
バタン!
玉「あっ」
宮「気絶しちゃった」
橋「どういうこと説明して」
宮「俺のせいじゃない」
玉「まっ、お前の未熟さにも原因があるとは思うけど」
宮「うっ」
橋「ごめんね何度も驚かせちゃって」
でも、なんだか優しい手に触れられている気がした。
橋「長が今日は婚儀をしたらダメだって言うんだ」
宮「どうして?」
玉「あっ、怪我してるからだろ」
橋「うん、治ってからじゃないと初夜が汚れ良い子が生まれないからって」
宮「どんまいハッシー」
玉「そうさ、だってそれがきっかけで姫に出会えたんだから」
橋「ありがとう2人とも俺がんばるよ」
ハッシーとの出会い、それはあの伝説の少年と狐みたいだった。
そう思ったのは。
この後、再び目覚めた俺がその腕に巻かれている自分のハンカチを見て。
こいつが、あのとき怪我をしていた狐だと分かった時だったんだけどね。
そしたら自然と恐怖は消え後は…
そうなったのは、それから数日後のこと。
そして、俺たち4人は再びまた巡り会うことになる。
妖狐の長のもと、互いの嫁を披露する場で。
まるで同じ運命に導かれていたかの如く、みんなそこにいたんだ。
この不思議な世界の空間に━