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千年の花嫁

第10章 不器用な愛情

・横尾side

ニカが来て、15日目の朝。



ニ「‥‥‥」

横「どうした?」



ダッ!



横「おい、ニカ」



あいつは、突然トイレへと駆け込んでしまい。

もしかして…



横「ニカ開けて、ニカ」



ドンドンドン、扉を叩いたら。



ニ「わっ、わったー俺」

横「来てしまったんでしょアレが」



カチャ!



ニ「これどうしたらいい」

横「だいじょうぶ準備はしてあるから、ニコッ」



初夜から2週間ほど経つと、女体化は完成する。



横「健永、例の物を渡してやってくれる」

千「了解」



そして、個人差はあるけれど。



千「はいニカ、終わるまでこれを当てておけばいいから」

ニ「‥‥‥」



すぐ排卵が来る者もいれば、ニカのように初潮が来た後に来る者もいるってわけ。



横「そんな顔するな」

ニ「だってさぁ、ハァ」

千「気持ちは複雑だよね」

ニ「なぁ、わったーなんで先にこれが来てしまうんだよ」

横「それは」



同じく女体化の進み具合にも個人差があり、こいつの場合。



横「完全に女体化する前に排卵が身体の中で起きてしまったせいさ」

二「はあっ?」

横「心配しなくても1週間もすれば終わるよ」



まっ、しばらくあっちの方はお預けだけど。



横「それより、いいの今日は確か」

ニ「あ、うん」

横「言わなきゃバレないって気にせず行って来れば」

千「ほらニカ、ニコッ」

ニ「じゃ」



女体化が完了したのは昨日、しかし五関のこともあり俺は様子を見ようとまだそこへは手を出さずにいた。

が、ある意味正解だったってわけ。

これで、バッチリ排卵日を予測することが出来る。



横「健永、しっかり記録しといてよ」

千「アイアイサー」



それから数時間後、ニカは戻って来て。



横「どうだった?」

ニ「一応は受け取ってくれたけど、なーんも言ってはくれなかった」

横「伝わってるさ、きっと」

ニ「うん」



その夜―



横「今日は何が知りたい」



俺は、あれからニカから聞かれる事は何でも答えるようにしていた。

いざというときに少しでも不安をなくす為。




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