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千年の花嫁

第12章 芽生えた命

・二階堂side

千「ニカ、風呂が出来たぜ」

ニ「Thank you」



子供ができ3ヶ月が過ぎて現在、妊娠五ヶ月目。



千「もう少し経ったらニカのお腹、膨らんで来るんだろうなぁ フフフッ」



それが分かった時、わったーも千賀も凄く喜んでくれ。



千「どっちに似ているんだろ横尾さん、ニカ?俺だったら笑える クスッ」

ニ「ばーか、フッ」



当たり前じゃん。



ニ「千賀、俺 前から気になっていたことがあるんだけど」

千「んなに?」

ニ「お前は嫁さんを貰わないわけ?」

千「俺?俺はいいの、ニコッ」

ニ「どうして」

千「いいんだってば、フッ」



その笑顔の裏にあるもの、それは。



千「それより今日は俺がメシを作ってやるな」

ニ「えっ?できるんだ」

千「まっかせなさーい」



俺達の世界にもいるように、妖狐の中にもそういった連中がいる事を知ったのは、それから暫くしてからの事だった。



北「ニカ」

ニ「ミツうぅ」

玉「よっ、元気?ニコッ」

千「タマ、ガヤさん忙しいの?」

玉「さぁ俺はミツさえいればいいからさ」

千「あれあれ?宮田は」

玉「いいんだ、あいつは」



最近では、ごっちも落ち着き。



北「よし外へ行こぜニカ」

玉「駄目だってミツ」

北「なんで?」

玉「ガヤも言ってただろ意味なくウロつき回るなって」

ニ「んっ?」



あいつ、随分と過保護じゃん。



北「なにを心配する必要がある?もう安定期に入ったんだし大丈夫だってば」



俺も、そう思う。



千「やめといたほうがいいと思うよ」

ニ「千賀?」

千「まったく安全ってわけじゃないし」

ニ「いやだって河原とか俺達だけで行ったじゃん」

千「あの時と今では違う」



なにが?意味わかんね。



千「それに横尾さんも駄目だって言うと思うし」

ニ「理由は?わけを教えてくれ」

千「‥‥‥」

北「なに言えないことか」

千「じゃなく」



が、俺達がそう聞くと千賀は言葉を濁す。



千「怖がらせたくないからさ」



怖がる?俺たちが。




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