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千年の花嫁

第15章 未来への光り

・戸塚side

戸「ほんと?それ」

橋「うん」



北山が妖狐の雌を生んだ、それは奇跡としか言いようがない。

凄い、やったじゃん。



戸「つまりは今後」

橋「育つまでは今まで通りだけどね」

戸「あっ、そっか」



妖狐の雌は、一族の中でも一番 不思議な能力を持ち合わせていると言われてる。

子を孕み産む、ただそれだけではなく種別ごとにちゃんと産み分けるんだと。

例えば―

相手が赤なら生まれてくる子も赤、黒なら黒。

ただし、まず最初に長になる金狐と副長、銀狐を出産してかららしいけどね。

んっ?ちょっと待って。



戸「それって近親相姦」

橋「なに?その近…」

戸「えっ、あっ、だって」



兄弟同士、その…



玉「なーんにも知らないんだな、クスッ」

戸「玉森」

玉「動物は繁殖期に入ったとき親とか兄弟とか関係なく発情してしまうだろ」

戸「そういえば」

玉「全てが全て、そうなわけじゃないけど」



妖狐も同じってわけ?



玉「俺達に近親相姦なんて言葉はないのさ」

橋「ねぇ、だから近親なんとかってなに?」

戸「ぁ…‥」



ごめんハッシー。



玉「いいんだってハッシーは知らなくても」

橋「俺にも教えてよぉー」

戸「ハハッ」



この子達が成長したとき、もう妖狐が人間を嫁に貰う必要はなくなるんだね。

それっていつ頃?




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