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千年の花嫁

第17章 平穏な日々

・千賀side

玉「ふん、ふふんふん今日もいい天気だなぁ」



外へ出たら、タマが呑気に洗濯物を干していた。



千「よっ、ニコッ」

玉「あれ千賀どこかへ出かけるのか?」

千「お前、ぜんぜん緊張感がないな クスッ」

玉「んっ?あっそう言えばさっき宮田を見かけたよ」

千「どこで?」

玉「食料でも調達しに行ったのかな?河原の方へ向かってった」

千「ふーん」



珍しいな、あいつが1人で行くだなんて。

その少し前―



橋「宮っちトッツーと蓮を知らない?」

宮「えっ、部屋にいるんじゃないの蓮が眠くなったからって」

橋「それがいないんだ」

宮「‥‥っ」



俺達は、1つ屋根の下で暮らしていた。



宮「おっかしいな、クンクン」



最下級層の赤狐である俺が、なんでパトロール隊長なのか。

それは、聴覚が優れているからだけど。

それと同じで―



橋「どうかした?」

宮「匂いが外へ続いている」

橋「そんな!?だって」



宮田は臭覚に優れていて、そういう意味で俺達はベストコンビって言われてたんだ。



宮「俺、追っ掛けてみるよ」

橋「宮っち」

宮「大丈夫、必ず見つけて来るからハッシーはここで待ってて」



ダッ!

が、戦力的な神通力は持ち合わせていない。

だから、警護とは言っても赤狐は偵察専門で。

実際に動くのは、白狐や黒狐の役割だった。

が、俺はそれじゃ大事なやつを護れないと日々塚ちゃんとトレーニングを積み重ね。

今では2人とも、格闘では誰にもひけをとらないほど強くなっている。

だけど宮田はって、あれはハッシーじゃん。




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