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「ウオオーン」

「ウオーン」



が、しかし。



五「今のは、ｸｯ」

妖狼「戦闘開始の合図さ」

五「なんだって!?」



とたん―



「ぐはあっ」

「夜襲だぁ、妖狼が襲って来たぞぉーっ」



そんな、宮田は!?



妖狼「あの赤狐なら今頃」

五「‥‥っ」



ドンッと突き飛ばし、急ぎあいつのもとへ走る。



妖狼「もう襲い」



その声を無視し、ただひたすら。



五「宮田あぁーっ」



そして、視界に飛び込んで来たその姿は。



宮「つはっ、ﾊｧﾊｧﾊｧ」



１匹の妖狼と向き合い、立つ肩は大きく揺れていて。



妖狼「そんなに、あの黒狐の傍へ行きたいか？」



振り返れば奴が…ｸｯ



宮「五関…くん‥ﾊｧﾊｧ」

五「しっかりしろ宮田」



揺らいだ身体を駆け寄り、抱きしめた。



妖狼「ならお望み通り行かせてやろう、ﾆｯ」

妖狼「その赤狐と一緒に地獄の門を潜るがいい」



その場は騒然としていた。



宮「逃げ…て‥早く…ｸｯ」

五「バカ言ってるんじゃ」

宮「無理…だ‥かなわ…」

五「お前ら、どこまで卑怯なんだよ！こいつは怪我をしているんだぞ、それを」



睨みつける俺に対し不敵に笑う２匹の妖狼、怒りが頂点に達する。

周囲は妖狐たちが戦う声と悲鳴に満ち、その中には。



藤「いいか姫と子供たちは絶対に護り通せ！」



藤…ヶ谷、ｸｯ

その全てを指示しているのは、こいつ。



妖狼「やれ殺っちまえ若の仇だ皆殺しにしろ！」



目の前にいる郁人の仇だったんだ、ｸｯ



妖狼「この動けない奴どうする、サッさと殺っちまうか？」

妖狼「いや、お前は」



あげく、その言葉を聞き。



五「行かせねぇーっ」



ダッと挑み掛かり。



宮「ダメ…だ‥五関く…」

塚「ごっちいぃーっ」



郁人 俺さ、グサッ、お前と出会えて良かったって今ならハッキリと言える。



塚「ごっち、ごっちぃー」



会いたい今すぐに、郁人。