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千年の花嫁

第19章 愛する人へ

・塚田side

目を覚ましたら、ごっちがいなかった。

嘘、どこへ行ったの!?夜更けに出でくなんて誰が思う。



千「塚ちゃん」

塚「いた」

玉「いない、チッ」

千「どこへ行っちゃったんだろ」



と、そのとき。


「ウオオーン」

「ウオーン」



えっ、なに!?妖狼、こんなときに。



玉「ヤバい!」

千「ごっちのことガヤさんに教えて来る」



ダダッ!



玉「宮田?宮田がいる」

塚「なっ、何処に?」

玉「こっちだ、ダッ」

塚「玉森」



ダダダッ!

そこで、俺たちが目にした光景は。



五「お前ら、どこまで卑怯なんだよ!こいつは怪我をしているんだぞ、それを」



傷ついた宮田を抱きしめ、身体を支えているごっちの姿。

響き渡る藤ヶ谷の声。



藤「いいか姫と子供たちは絶対に護り通せ!」



目の前には、2匹の妖狼が。



妖狼「やれ殺っちまえ若の仇だ皆殺しにしろ!」

妖狼「この動けない奴どうする、サッさと殺っちまうか?」

妖狼「いや、お前は」



と、次の瞬間。



五「行かせねぇーっ」



ダメだ、ごっち。



玉「宮田、ダッ」



倒れ込んだ宮田のもとへ、玉森が駆け寄る。



塚「ごっちいぃーっ」



グサッ、ガブッ、これは夢か現実か?ガクガク

1匹の妖狼に、短刀を突き刺したごっち。

そのごっちの首に噛みついた妖狼。



塚「はっ、放せぇーっ」



ガンガンガン叩いてもそいつはビクともせず。




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