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千年の花嫁

第20章 今を生きる

・横尾side

最近、みょうに身体の疲れを感じる。



ニ「じゃ行って来る」



子供たちは皆、成長し今はニカと2人きり。

あいつは、孤児院の子供たちの世話に追われていた。

俺も年かな、フッ



横「掃除でもするか」



立ち上がった次の瞬間に、クラッと目眩がし。



ニ「渉、渉ってば」



ニカ?はっ、いま何時。



ニ「どうしたんだよ、こんな所で眠っていて」

横「あっ…あぁ‥なんでもない」

ニ「???」



どうやら時期が来てしまったようだ、妖狐として千年近くものあいだ生きてきた。

今さら思い残すことなど何もない、いや待て!



ニ「どう?これさ孤児院のあいつらと作った畑で獲れたんだぜ、ニコッ」



ある、大ありじゃないか。



ニ「やっぱ獲れたての野菜は美味いや」



俺が先に逝ってしまったら、こいつはどうなるんだよ?



ニ「渉?キョトン」



独りぼっちになってしまうじゃん。



横「ニカ、風呂へ入るよ」

ニ「へっ?」



つうか、グイッ!



ニ「ちょ、なに!?」

横「チュッ」

ニ「んんっ、わた、あっ」



俺だってまだ―



ニ「あうっ、あっ、はっ、あっあっ、あぁーっ」



チャプン、チャプン!



ニ「どっ、どうしたって、いうんだよ?いったい」

横「お前に話しがある」




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