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千年の花嫁

第20章 今を生きる

ニ「なに?」

横「俺は、もうそう長くはない」

ニ「なっ!?」

横「俺達は獣、本能でそれを感じる」

ニ「やだ、渉、いやっ」



ギュッと、抱きついてくるニカ。



横「だから、これが最後」

ニ「ああ、やだって、あっ、やだってば」

横「なら、一緒に逝く?」

ニ「えっ」

横「転生の泉へ、ニコッ」

ニ「‥‥っ」



ぐちゅん、グチュ!



ニ「ふあっ、あっ、くっ、いっ…ハァハァハァ」

横「どうする?ニカ」

ニ「いっ、イクッ」

横「んっ?」



ズゴッ、ズゴッ!



ニ「イクうぅーいっしょに渉うぅ、ビクビクッ」



あぁ、共に逝こう。



北「ニカ、ニコッ」

ニ「今日は兄弟二人っきりでデートしようぜ」

北「おう、んふふっ」



悪い、ミツ…俺はまたお前から弟を奪ってしまう。



北「ニカ、早く、ほら」

ニ「待てよ」

北「ガハハハッ」



でも1分1秒たりとも離れたくはないんだ最後の瞬間まで。

分かってくれミツ、クッ

それから俺たちは仲間たちにさりげなく別れを告げ。



横「なら、いいね?」



コクンと小さく頷いたニカを連れ、ジャブ、ジャブ!

太輔、太輔、先に逝く向こうで会おう フッ

泉の中で抱きしめた温もり━



ニ「渉、ニコッ」

横「ふっ、チュッ」

ニ「んっ」



交わす口づけ、有り難う お前に出逢えて凄く幸せだった必ず来世でまた…

同時に瞳を閉じる寄り添い手を繋ぎ、空に輝く星の真下で。




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