千年の花嫁
第20章 今を生きる
・北山side
ニカが、横尾さんと一緒に逝ってしまった。
藤「ひろ」
だいじょうぶ大丈夫だって太輔。
北「トッツーの所へ行って来るわ、ニコッ」
ダッ、あの時とは違う。
自分も、もし太輔の寿命が尽きると知ったなら。
戸「北山」
きっと、同じ選択をしたに違いないから。
北「書いてくれたか?絵」
戸「うん、こんな感じで、どう?」
が、その絵を見たとたんに。
北「くっ、ヒクッ」
戸「‥‥っ」
涙がポロポロと出て止まらなくなってしまってさ。
北「ごめん、悪いトッツーううっ」
戸「いいよ謝らなくても」
北「素敵な絵だ、グスン」
満面の星空、輝く泉、その中央で寄り添うように佇む2人の姿。
書物の挿し絵となる1枚をトッツーが描くようになったのは数年前からで。
それを提案したのは、ニカだった。
戸「とうとう2人だけになっちゃったね フッ」
北「あぁ」
戸「ねぇ、北山」
北「んっ?」
戸「この本は俺たち全員が死してストーリーが閉じられる」
北「それがどうかしたか」
戸「けれど最後のページを描くことは自分たちには出来ない」
確かに―
戸「塚ちゃんがさ」
北「‥‥っ」
五関が逝ったあとも、その意思を継ぐかのように孤児院で子供たちと生活を共にしている塚ちゃん。
その塚ちゃんが…
北「いいのか頼っても」
戸「それも自分の役目のような気がするからって」
北「そっか、フッ」
それから2年後だった。
ニカが、横尾さんと一緒に逝ってしまった。
藤「ひろ」
だいじょうぶ大丈夫だって太輔。
北「トッツーの所へ行って来るわ、ニコッ」
ダッ、あの時とは違う。
自分も、もし太輔の寿命が尽きると知ったなら。
戸「北山」
きっと、同じ選択をしたに違いないから。
北「書いてくれたか?絵」
戸「うん、こんな感じで、どう?」
が、その絵を見たとたんに。
北「くっ、ヒクッ」
戸「‥‥っ」
涙がポロポロと出て止まらなくなってしまってさ。
北「ごめん、悪いトッツーううっ」
戸「いいよ謝らなくても」
北「素敵な絵だ、グスン」
満面の星空、輝く泉、その中央で寄り添うように佇む2人の姿。
書物の挿し絵となる1枚をトッツーが描くようになったのは数年前からで。
それを提案したのは、ニカだった。
戸「とうとう2人だけになっちゃったね フッ」
北「あぁ」
戸「ねぇ、北山」
北「んっ?」
戸「この本は俺たち全員が死してストーリーが閉じられる」
北「それがどうかしたか」
戸「けれど最後のページを描くことは自分たちには出来ない」
確かに―
戸「塚ちゃんがさ」
北「‥‥っ」
五関が逝ったあとも、その意思を継ぐかのように孤児院で子供たちと生活を共にしている塚ちゃん。
その塚ちゃんが…
北「いいのか頼っても」
戸「それも自分の役目のような気がするからって」
北「そっか、フッ」
それから2年後だった。