千年の花嫁
第3章 妖狐の一族
・五関side
それは、ここへ来て8日目の朝のことだった。
えっ、なんだよこれ?
目を覚ました途端に自分の身体に異変を感じたのは。
うっ、嘘だ!?こんなの。
触らなくても明らかに分かる胸の膨らみ。
マジで女になってしまうっていうのか、冗談じゃない
気がつけば、部屋から外へ飛び出していて。
逃げなきゃ、でも何処へ?
気持ちが自分の方へ向いたとき女体化が始まる、そう郁人は言っていた。
そんなわけないじゃん。
誰が妖狐なんかに惚れるかってんだよ。
だいいち、あいつに好きだなんて一言も言ってないし。なのに何故?
理屈では考えられない自分の身体の変化に、頭の中は錯乱し俺はやみくもに走り続ける。
五「…っ、ハァハァハァ…ここはいったい何処なんだろう」
が、そのせいか気がつくと林みたいな所に来てしまっていてさ。
五「ってかなんで、こんなに広いんだ?一応はここも稲荷村の一部なんじゃないの」
どう見ても、その奥は深く見え。
五「くっ、帰りたい…みんなに‥トッツーや二階堂…北山に会いたい」
絶望感に、目から涙が零れ落ちたそのとき。
横「そこから先へ行くんじゃないよ」
とつぜん声がし、振り返ると。
五「うっわ銀の九尾だ!?」
そいつの姿を見た瞬間に、恐怖で身体が強ばってしまう。
横「ふっ、そんなに怯えなくたっていいじゃん取って喰うわけじゃないんだからさ」
五「えっ」
だけど―
横「郁人が心配している帰ろ、ニコッ」
差し出された手は温かく。
横「あいつ不器用だが根は優しいやつなんだ」
不思議と瞬時に、恐怖心は消え。
横「今は分からないかもしれないけど、ニコッ」
逆に、その笑みに寂しさが漂っているようにさえ感じ。
なんで?そう思っていたら
横「何か言いたそうな顔をしている、フッ」
こいつは苦笑いして。
横「少し話でもしてく」
そう言って足を止めると、岩場へと腰を掛けたんだ。
それは、ここへ来て8日目の朝のことだった。
えっ、なんだよこれ?
目を覚ました途端に自分の身体に異変を感じたのは。
うっ、嘘だ!?こんなの。
触らなくても明らかに分かる胸の膨らみ。
マジで女になってしまうっていうのか、冗談じゃない
気がつけば、部屋から外へ飛び出していて。
逃げなきゃ、でも何処へ?
気持ちが自分の方へ向いたとき女体化が始まる、そう郁人は言っていた。
そんなわけないじゃん。
誰が妖狐なんかに惚れるかってんだよ。
だいいち、あいつに好きだなんて一言も言ってないし。なのに何故?
理屈では考えられない自分の身体の変化に、頭の中は錯乱し俺はやみくもに走り続ける。
五「…っ、ハァハァハァ…ここはいったい何処なんだろう」
が、そのせいか気がつくと林みたいな所に来てしまっていてさ。
五「ってかなんで、こんなに広いんだ?一応はここも稲荷村の一部なんじゃないの」
どう見ても、その奥は深く見え。
五「くっ、帰りたい…みんなに‥トッツーや二階堂…北山に会いたい」
絶望感に、目から涙が零れ落ちたそのとき。
横「そこから先へ行くんじゃないよ」
とつぜん声がし、振り返ると。
五「うっわ銀の九尾だ!?」
そいつの姿を見た瞬間に、恐怖で身体が強ばってしまう。
横「ふっ、そんなに怯えなくたっていいじゃん取って喰うわけじゃないんだからさ」
五「えっ」
だけど―
横「郁人が心配している帰ろ、ニコッ」
差し出された手は温かく。
横「あいつ不器用だが根は優しいやつなんだ」
不思議と瞬時に、恐怖心は消え。
横「今は分からないかもしれないけど、ニコッ」
逆に、その笑みに寂しさが漂っているようにさえ感じ。
なんで?そう思っていたら
横「何か言いたそうな顔をしている、フッ」
こいつは苦笑いして。
横「少し話でもしてく」
そう言って足を止めると、岩場へと腰を掛けたんだ。