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千年の花嫁

第22章 月は赤く染まる

花嫁さんは少年ふたり―



河「うわっ、健永!?」

五「これまた豪華な白無垢だなぁー誰が選んだの」

藤「もちろん、クスッ」

北「俺に決まってるだろ」

千「あはっ」



でも千賀は凄く幸せそうで、こっちの両親も。

“だったら伝説に残るような嫁入り支度をしてやります”

とまぁ、そう言ったらしい。



藤「なんか意味を履き違えてる気がするんだけど」

千「でも、その先頭をきって張り切っちゃったのは宏光だしさ、ハハッ」



そりゃ仕方がないや、クスッ



北「大事な弟を嫁がせるんだ当たり前じゃん」

藤「はいはい、フッ」

ニ「いいなぁ、千賀」

横「どうして、そこで羨ましがるわけ?」

ニ「俺もミツの弟に返り咲きたい」

五「貴方には私という姉がいるでしょ」

横「無い物ねだりってやつか、フッ」



妖狐に嫁ぐべく花嫁衣装に身を包み…



藤「ってか、どうしてそっちはドレスなわけ?」

河「あいつの親父が」

横「ふっ、どっちもどっちだなこりゃ」

玉「競い合うものじゃないとは思うんだけど、クスッ」



しずしず、しずしずと。



ニ「時代は変わったなぁ」

戸「ほんと、フッ」

五「だけど2人とも凄く綺麗」

橋「うん、ニコッ」



すると裏稲荷の扉、開きて。



絆「来いよ健永」

蓮「塚ちゃん、来て」



妖狐、迎えに出たり。



千「絆果!」

塚「蓮!」



ダダダッ―



河「あいつ、俺の傍にずーっといるって言っておきながら」

五「郁人には私がいるからいいじゃない、フフッ」



それは、2つの種族の絆を更に強くする為の仕来たり。



五「塚ちゃん幸せになってね」

塚「ごっち、ありがとう」



深まる愛と共に幸せを築いて行く為の━

嫁入り伝説はこうしてまた語り継がれてく、この稲荷村で。

そして郁人と俺が夫婦になったのは、それから数年後の事だった。

カラーン、コローン!
カラーン、コローン!

全員の祝福を受け。




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