千年の花嫁
第5章 真の伝説とは
藤「知りたかったんだろ?誰にも言ってないのにどうしてあいつの名前がここに書かれてあったのか今それが分かるからさ、フッ」
チュッと途端に、首筋へ感じた柔らかな感触。
北「なっ、何を!?」
藤「目を離すんじゃない」
北「ビクッ」
太輔の唇が、少しずつ徐々に肌の上を移動してくのが分かる。
北「ちょ、なぁ」
藤「見つけた」
北「えっ」
藤「あった、ほら耳の後ろのうなじに」
それって、母さんが言っていたあの痣のことか。
藤「金色に光っている間違いなくこれは」
なんだっていうんで?が、次の瞬間。
北「あっ、クッ」
藤「チューッ」
その唇がそこへと吸いつき、視界にあったページに文字が浮き出始め。
“○月…○日‥深夜2時”
こっ、これは!
“北山…宏光‥嫁入り”
そういうことだったんだ、薄れて行く意識の中で。
藤「夢の中へ行って来い、そしたら何で俺がお前じゃなきゃダメなのかその理由も分かるからよ フッ」
聞こえて来た太輔の声。
そしてガクンと崩れかけた自分の身体が、ふわっと持ち上げられたのまでは覚えている。
が、気がつくと。
ここは?ハッ、まさか!?そんなバカな。
「稲荷村」古びた板に書いてある文字。
けれど光景は今とは全く違う、周囲にはボロボロの服を着た村人たちが。
疲れきった表情で、あちらこちらの地面に座り込んでいて。
「お願い目を開けて信太」
そこらじゅうに聞こえる、人々のすすり泣く声。
「また子が1人死んだか」
「これで何人目じゃ」
「このままでは我らはみな死に絶えてしまうぞ」
俺は、それだけですぐ察知がついたんだ。
今、自分の目の前に見えている稲荷村は現代ではなく。
あの、伝説の時代の稲荷村なんだって事を。
太輔の力で見せているってわけ?いったい何のために?
そう思っていたら、1人の少年が神社の方へ行く姿が見え。
“あの子もしかして”俺も慌てて後を追う。
でも、そこで見たのは伝えられている話とは全く違う妖狐と少年の哀しくも切ない物語だった。
遙か遠い昔の―
チュッと途端に、首筋へ感じた柔らかな感触。
北「なっ、何を!?」
藤「目を離すんじゃない」
北「ビクッ」
太輔の唇が、少しずつ徐々に肌の上を移動してくのが分かる。
北「ちょ、なぁ」
藤「見つけた」
北「えっ」
藤「あった、ほら耳の後ろのうなじに」
それって、母さんが言っていたあの痣のことか。
藤「金色に光っている間違いなくこれは」
なんだっていうんで?が、次の瞬間。
北「あっ、クッ」
藤「チューッ」
その唇がそこへと吸いつき、視界にあったページに文字が浮き出始め。
“○月…○日‥深夜2時”
こっ、これは!
“北山…宏光‥嫁入り”
そういうことだったんだ、薄れて行く意識の中で。
藤「夢の中へ行って来い、そしたら何で俺がお前じゃなきゃダメなのかその理由も分かるからよ フッ」
聞こえて来た太輔の声。
そしてガクンと崩れかけた自分の身体が、ふわっと持ち上げられたのまでは覚えている。
が、気がつくと。
ここは?ハッ、まさか!?そんなバカな。
「稲荷村」古びた板に書いてある文字。
けれど光景は今とは全く違う、周囲にはボロボロの服を着た村人たちが。
疲れきった表情で、あちらこちらの地面に座り込んでいて。
「お願い目を開けて信太」
そこらじゅうに聞こえる、人々のすすり泣く声。
「また子が1人死んだか」
「これで何人目じゃ」
「このままでは我らはみな死に絶えてしまうぞ」
俺は、それだけですぐ察知がついたんだ。
今、自分の目の前に見えている稲荷村は現代ではなく。
あの、伝説の時代の稲荷村なんだって事を。
太輔の力で見せているってわけ?いったい何のために?
そう思っていたら、1人の少年が神社の方へ行く姿が見え。
“あの子もしかして”俺も慌てて後を追う。
でも、そこで見たのは伝えられている話とは全く違う妖狐と少年の哀しくも切ない物語だった。
遙か遠い昔の―