無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「俺はここで昼寝をするのが楽しみなんだ邪魔しないでくれ」

「うっ、ふえっ ﾋｸｯ」

「あぁーくそ分かった何をすりゃいい」



弱っ、負けてるぜ ｸｽｯ



「鬼ごっこ、ﾆｺｯ」

「もうすぐ１６になる奴が？だいいち勝負すぐついちまうだろ」

「それでも太輔、僕を捕まえて行くよ！ダッ」

「おいこら待てったくしょうがねぇなもぉ、ﾊｧ」



でも、その光景は何だか微笑ましく見ていて心が和む。



「太輔、太輔、あははっ、こっちこっち」



が、次の瞬間！



「ぐいっ、捕まえた」

「あっ、ズルいよそれじゃ顔が見えなっ…」

「いいんだ、これで」



太輔は金狐の姿になり、後ろから少年を抱きしめていて。



「どうして？」

「俺は妖狐だから、ﾌｯ」

「‥‥っ」

「だから、もう会いに来るな」

「太…輔」



だけど、その声は凄く悲しげで。



「嫌だっ」

「明日１６になってしまうんだろ」

「うん」

「なら分かっているんじゃね」



えっ？



「あれは本当のこと？」

「あぁ、初めに会った時に教えたはずだ」



待て、つまり少年はそれも知ってて嫁入りしたって事か。



「太輔ならいい」

「ダメだ、どういう事かまでは理解していないだろ」

「お嫁さんになるんでしょ僕、太輔のこと大好きだから構わない。ずっと一緒にいたい」

「はぁ、困らせないでくれ俺はお前を連れてく気はないから」

「僕のこと嫌い？」

「ガキは好きじゃないんだ、とっとと親んところへ帰んな」

「うっ、バカあぁーっ」



ダダッ！

と、少年は泣きながら走り去って行き独り取り残された太輔は。



「好きだから出来ないんだよ大切にしたいから」



そう呟くと神社の中へ消えて行ってしまい。

俺は、その言葉に切なさを感じ何ともいえない気持ちになってしまう。