千年の花嫁
第5章 真の伝説とは
だがおかしい、これじゃ伝説と全く違う。どういうこと?
疑問に思っていると翌日に場面は切り替わったのか、陽が射し込む中またあの少年が目の前に姿を現し。
「太輔、いない」
何度も、何回も毎日通って来ては。
「会いたい太輔」
そんな場面が何回、続いただろう。
「少年よ、そんなに息子に会いたいか?」
どこからともなく声が聞こえ。
「誰?」
「我はその父、天狐」
「太輔のお父さん?」
「そうだ、ゆくゆくはこの神社の神となるやもしれぬいや必ずなる」
「へぇー偉いんだね凄い」
「会わせてやってもいいぞ我の言うことを聞くのならばな、フッ」
「ほんと?」
「あぁ、フッ」
あり得ない、なんだこれ。
天狐は、少年に言ったんだ自分の言う通りにすれば太輔に会わせてやると。
彼は、素直に応じ。
あとは伝説と同じで、村人に天狐が話しを持ちかけ泣く泣く親は了承した。
けど、それは善意からではなく。
そうすることで人々が自分を神として祀り上げ、一族の者が嫁取りしやすくなるのを見通してのこと。
あくまで利益のため、少年の気持ちを利用したってわけさ。
信じられない…
そして、嫁入りした少年を待ちかまえていたのは太輔ではなく。
言葉では表すことの出来ない慟哭が俺を襲う、太輔の悲痛な叫び声と共に
真の伝説は、悲しいほど切ない太輔の恋物語だった。
1000年もの年月を経て、今もなお想い続けている。
疑問に思っていると翌日に場面は切り替わったのか、陽が射し込む中またあの少年が目の前に姿を現し。
「太輔、いない」
何度も、何回も毎日通って来ては。
「会いたい太輔」
そんな場面が何回、続いただろう。
「少年よ、そんなに息子に会いたいか?」
どこからともなく声が聞こえ。
「誰?」
「我はその父、天狐」
「太輔のお父さん?」
「そうだ、ゆくゆくはこの神社の神となるやもしれぬいや必ずなる」
「へぇー偉いんだね凄い」
「会わせてやってもいいぞ我の言うことを聞くのならばな、フッ」
「ほんと?」
「あぁ、フッ」
あり得ない、なんだこれ。
天狐は、少年に言ったんだ自分の言う通りにすれば太輔に会わせてやると。
彼は、素直に応じ。
あとは伝説と同じで、村人に天狐が話しを持ちかけ泣く泣く親は了承した。
けど、それは善意からではなく。
そうすることで人々が自分を神として祀り上げ、一族の者が嫁取りしやすくなるのを見通してのこと。
あくまで利益のため、少年の気持ちを利用したってわけさ。
信じられない…
そして、嫁入りした少年を待ちかまえていたのは太輔ではなく。
言葉では表すことの出来ない慟哭が俺を襲う、太輔の悲痛な叫び声と共に
真の伝説は、悲しいほど切ない太輔の恋物語だった。
1000年もの年月を経て、今もなお想い続けている。