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千年の花嫁

第5章 真の伝説とは

横「その言葉、俺らには かなり痛いよ」

藤「悪い、クスッ」

横「まっ、いいって。なら婚儀はするんだね」

藤「‥‥‥」

横「太輔、一度連れて来た人間を帰すことは」

藤「分かっている」

横「だったら」

藤「もう少し時間をくれ」

横「まったく手の込んだ事をして」

藤「あいつはニカはどうしている?」

横「俺達は順調さ心配する必要はない、ニコッ」

藤「そっ、フッ」

横「気になるの?クスッ」

藤「宏光の弟だから」

横「俺も二度と同じことは繰り返さない、そのつもりで精一杯の愛情を注いでいる、それが長 藤ヶ谷太輔の方針でしょ」

藤「頼む、フッ」

横「任せときな、ニコッ」



代が変わり自分が長になったとき、いったい何が出来るのかを考えた。

が、答えなんて出るわけがない嫁取りはやめられないんだから。

なら精一杯、愛するのみ。

それでも狂うやつ、自分で命を絶つ者は出る。

どんなにフォロしてやってもだ、クッ

お前ならどうする?真実を知ってどう思う、それが聞きたい。

だから過去を見せた、その結果もし拒んだら…規則違反は死を意味する、たとえ長でも例外ではない

覚悟の上、帰してやるつもりで俺はあいつが目を覚ますのを待っていたんだ。

お前に、また会えただけでも長く生きて来た甲斐があったとそう思い。

でも本当は、妖狐なんか愛してくれるわけないとは思いながらも。

どこかで期待している自分がいる、叶うならば一緒にいたいと。

本音、恐いんだよ目を覚ました時お前がどんな眼で俺を見るのか。

情けないだろ…

が、本気で惚れたら誰でも臆病になるもの。

わたもそうだったんじゃない、なのになんで親父みたいなことを言うんだ。

あのときのお前は…

似たような傷を持った俺とわた、歳月は流れ。

わたは、再び愛する者を見つけた。

俺は…

どうするかは、北山が目を覚ましてから決めることにするよ。

あいつの願いのままに。




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