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千年の花嫁

第6章 希望の花嫁①

・戸塚side

この日、目を覚ますとハッシーはいなくて。

どうせまた、藤ヶ谷のところにでも行っているんだろう。

でも俺は気にも留めず…

宮田もいないみたいだし、逃げ出すなら今のうち。

逆に、そんな事が脳裏に浮かび思いきって外へ飛び出してみたんだ。

けれど、何処へ行ったら自分たちのいた世界へ戻れるのか分かるわけもなく。

幸運にも、他の妖狐に出くわさないままウロウロと歩き回っていたら。



「ううっ…ヒクッ‥ふえっ」



どこからともなく泣き声が聞こえてさ。

えっ、ハッシー!?

つい気になってしまい、声のする方へ行ってみると。



橋「うわあっ、ヒクッ、グスン」



なんで泣いてるんだよ。

そこは墓みたいなのが沢山ある場所で、その1つの前で肩を震わせ号泣している姿があり驚いてしまう。



橋「母…さん、ヒクッ」



なっ、あれは自分の母親の墓?ってことは人間だよね。



橋「俺…悪い子?ううっ‥だからトッツーにも嫌われちゃったわけ?母さんも…俺のこと嫌いだったよな?抱きしめてもくれなかったし ヒクッ」



どういうこと?



橋「妖狐だから?ヒクッ、いつも怯えた目をし俺のこと見てただろ、ううっ」



ハッシー



橋「どうして?自分が産んだ子なのに ヒックン 俺、人間に生まれたかった…グスン‥そしたら…愛してくれた?ううっ‥トッツーにも嫌われずに済んだの?」



おっ、俺は…クッ



橋「答えてよ、ねぇ母さん、うっわあぁー」



そんなつもりじゃ…



藤「じゃどんなつもりだったんだ?」

戸「藤ヶ谷!?」



すると、いつの間にか後ろに金狐がいて。




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