テキストサイズ

千年の花嫁

第6章 希望の花嫁①

藤「だからハッシーは想い続ければいつか自分のことを母親は愛してくれると信じ笑いかけ無邪気な姿を見せ続けた」



ただ愛して欲しくて、クッ



藤「俺ら妖狐には、そんな奴らが多い」



知らなかった…



藤「郁人なんかもっと酷いぜ両親ともいないんだから、あいつの親は郁人を産んだあと気が狂い目の前で」

戸「なっ!?」



いや、知ろうともしなかったんだ。



藤「これが俺たち妖狐だ哀れといや哀れさ本当の愛を得ることも出来ない」



藤ヶ谷…



藤「お前らがジャレ合っているのを見たとき、こいつなら大丈夫そう思ったんだが」



それ…は



藤「やっぱ妖狐は嫌いか」

戸「別にそんなんじゃ」

藤「ならハッシーのこと少しでも好きって気持ちがあるんだったら妖狐とか人間とかじゃなく同じ心がある生きものとして見てやってくれない?」



同じ心がある―

藤ヶ谷の言葉が、ズシっと響く。



藤「お前らを無理矢理に連れて来る俺達に非があるのは当然、がそれでも」



俺は、まだこのとき。



戸「分かった、もう1度ハッシーと向き合ってみるよ」

藤「ありがと、あいつが未熟な点は俺がフォロする」



藤ヶ谷があの伝説の狐だったなんて知らなくて、だから聞いた時にはビックリしたけど。

同時に夢を一緒に叶えたい、そう思うようになったんだ。

藤ヶ谷の夢、それは人間とか妖狐とか関係なく仲良く一緒に暮らせる世界。

らしいよな、フッ

その為の礎(いしずえ)になろう、ある事がきっかけで俺達はそう決心する。

五関の切ないほどの後悔の涙と共に―




ストーリーメニュー

TOPTOPへ