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千年の花嫁

第6章 希望の花嫁①

・北山side

それから、どのくらい経ったのだろう。



横「あいつ、顔を出さないつもりじゃないよな」



俺の隣には、めっちゃ苛々している銀の九尾がいた。

ハハッ、さすがに怖い…



宮「横尾さん、ご飯持って来たよぉーニコッ」

横「宮田?お前がどうして世話係りは裕太じゃないの」

宮「うんタマに頼まれて」



なんだ?この頭の悪そうな赤狐は。



横「つうか太輔は何をやっている!」

宮「わわっ、俺に怒鳴らないでよ」



玉森裕太とは白の5尾で、なんでも俺の世話係りらしい。



宮「朝に出掛けて行ったのは知ってる」

横「どこへ?」

宮「さぁ?」



なんだ?俺は放っぽらかしか。



横「呼んで来い」

宮「えっ」

横「とにかく呼んで来い」

宮「むっ、無理だってぇ」

横「引っ張って来ればいいだけの事じゃん」

宮「力じゃかなわないの知ってるくせに」



ハハハッ、気弱そうな奴。



横「チッ、だったらしょうがないこっちから出向く」

北「なら俺も」

宮「だっ、駄目だって」

北「どうして?」

宮「姫さんから押し掛けるだなんて前代未聞、普通は来てくれるのを待っているものなんだから」

北「だって来ないじゃん、なら自分から行くしかない」

横「こいつの言う通り」

宮「横尾さんまで、もぉーどうなっても知らないよ」

横「が、まずは俺が行って話をして来るから取り合えずここで待ってな」

北「ふーん分かったわ」



そう言うと、横尾さんは部屋を出て行き。



北「なぁ」

宮「なに?」

北「俺の世話係りってどんなやつ」

宮「タマ?」

北「あぁ」

宮「可愛いけどドS腹黒」

北「そうなんだ」



暫くして―



横「あり得ない有り得ないよ太輔のやつ」

北「どうしたんで?」

横「会いたければ勝手に会いに来いだとさ」

北「はっ?」



なんだ?それ。



横「俺らには大事にしろとか言っておきながら」



ブツブツブツ、ブツブツブツ―

横尾さんは、あっちへウロウロこっちへウロウロ部屋中を歩き回りながらブツブツ言っていて。



宮「ヤバイこりゃヤバいっすわ下手すりゃ久々の長と副長の喧嘩が勃発」



そうこうするうち夜となり…




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