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千年の花嫁

第2章 甦った伝説

・五関side

ここは、どこ?

学校の帰り道、独りだった事もあり何気に稲荷神社へ来てみたところまでは覚えている。

あの狐の嫁入り記録帳が見たくて…

神社の扉は、この時期でなければ鍵が掛かっていて開けることは出来ないし。

そう思い。

が、目を覚まし周りを見渡すと「なんで俺、こんなところにいるんだろう?」

そこは何処かの家の中みたいでさ、自分は畳に敷かれている布団に寝かされていたんだ



「気がついたみたいだね気分はどう?」



そのうえ、誰かに声を掛けられたんだけど薄暗くて姿が見えず。



「待ってて今、灯りをつけるから」



ボーッと灯された行灯の火、ずいぶんと古くさい所だな。

そう思っているうち、眼がだんだんと慣れてきて視界に飛び込んで来たのは。



五「うわっ!?」

塚「初めまして塚田僚一と言います今日から世話係になるんで宜しく、ニコッ」



あっ、赤い尻尾が五本もある!?なんだこいつ。



五「どういうこと?これ」

塚「そう聞かれてもねぇ」



それに、頭には同じ色をした耳までもがついていて。



五「ちょ俺、帰る」

塚「そうはいかないんだ」

五「はっ?」

塚「五関晃一、ごっちって呼んでいい?」

五「えっ」

塚「俺は塚ちゃんでいいよ、ニコッ」

五「はあっ?」

塚「君は河合のお嫁さんに選ばれたんだから、ニコッ」

五「嫁?待って、それってまさか」



あの伝説の?




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