テキストサイズ

千年の花嫁

第7章 希望の花嫁②

太輔の瞳が、優しく俺を見つめている。



藤「そんな事をしたら自分がどうなるのか分かっているだろ?」

北「知ってる知ってて言ってるんだからいいじゃん」

藤「そういう問題じゃない後悔…」

北「しない絶対!」

藤「なんでそう言い切れる?」

北「俺の中にあのときの自分の記憶があるわけじゃない、だけど」



感じたんだ。



北「その時そのときの少年の気持ちが心の中に響いて堪らなくなり」

藤「だが、お前はあいつじゃない」

北「そうさ俺は俺だって」



自分で決めた。



藤「なにも同じ道を歩まなくても」



同じじゃない、相手は太輔なんだから。



藤「俺は、そんなことの為にあの時お前に目印をつけたんじゃないんだぞ」



護るため、そうだろ分かっている。



北「この左耳の後ろ、うなじにある金色に輝く痣は太輔が付けたキスマーク転生しても俺だって分かるように」

藤「会いたいって気持ちと会ってはいけないって思いが半々だった」

北「でも会えたら」



どうしようと思ってた?



藤「それも半々だったんだ、けどお前は来てしまってさ フッ」

北「だったら受け入れてくれ、このまま太輔の中で悲しい思い出のままなんて嫌なんだわ」

藤「宏光…」

北「その記憶、塗り替えるくらい俺に自分の想いぶつけて欲しい」

藤「おまえ」

北「太輔が幸せなら俺も幸せだから、なっ?ニコッ」

藤「くっ」



すると太輔は―



藤「ありがと、ギュッ」



そう言って抱きしめて来て。



藤「タマ、タマ」



これでいいんだ、これで。



藤「これから」

玉「分かっている婚儀を行うんだろ、ニコッ」

藤「あぁ、花嫁の準備を」

玉「OK宮田みんなに知らせて来い」

宮「アイアイサー」



そういうと、こいつは飛び出して行き。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ