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千年の花嫁

第7章 希望の花嫁②

藤「前代未聞だ、一族が人間の嫁取りを始めてから初さ自分から嫁になりたいだなんて言って来たやつはよ」

北「ふっ」



俺さ、ニカに話しかけているあの2人の声を聞いて凄く心が温かくなったんだ。

やり方はどうであれ横尾さんも、健永って妖狐もニカのこと大切に思ってくれているんだなって。

だったら俺たち人間も、寄り添えばきっと道は開ける。

俺も信じるよ、その奇跡を横尾さん。



藤「じゃ、準備が出来たら呼んでくれ」



それから、俺は風呂へと入り。



玉「ミツ、背中を流すよ」

北「Thank You」



ザバッ、ざばーん!



北「これなんの匂いだわ」

玉「精神が安定する言ってみればアロマみたいなもんガヤがそうするよう俺達に言ってから使うようになったんだ」

北「ふーん、いい匂いだな」

玉「だろ?姫さん達が少しでも心安まるようにって」

北「あいつらしいや、フッ」

玉「俺たち世話係りが姫さんの傍につくようになったのもガヤの代からなんだよ」

北「どうして?」

玉「第三者がいたほうが何かあった時に話しを聞いてあげれたり相談に乗ってあげることができるからって」



なるほど。



玉「姫さんの精神的ケアをするのが本来、俺らの役割ってわけ」



過去の痛みにより、太輔は自分なりの方法で嫁になる人間を護ろうと努力をしていたってことか。

だったら俺は、その力になりたい。

自分は、あの伝説の少年の生まれ変わりだった。

でも、きっとそこには何か意味がある気がする。

それを知りたいのと、太輔の悲しみを癒してあげたいという気持ちもあって花嫁になる決心をしたのだから。

たとえどんな結果になろうと後悔はしない、そう心に決め。




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