絡み合う糸
第1章 絡み合う糸
二人でコンビニ行って、お菓子類や酒を買って
それから、だいちゃんちに向かった。
俺が車の助手席に座り、ハンドルを握るだいちゃんの横顔に、ドキドキて心臓が鳴り止まなかった。
「久しぶりじゃない?伊野ちゃんが俺んち来るの笑」
バタンと閉まるドア。
急に抱きしめられて、持っていたコンビニの袋がドサリと落ちた。
「どうしたの……?」
何も言わないだいちゃんが泣いてることなんて、すぐに分かった。
やっぱりショックだったんだ…。
俺には何も出来ないけど、だいちゃんを抱きしめてあげることはできるんだよ?
そっと抱きしめただいちゃんの肩は、震えてた。
「ごめんね…伊野ちゃん…」
「ううん、俺の前では我慢しなくてもいいんだよ…」
「ありが…っ…と…伊野ちゃん…おれ…っ…さぁ…」
「んっ?」
「伊野ちゃんのこと…好きになれば…良かったのかなぁ…」
一瞬、時間が止まったように、動けなかった。
なんで…なんで…?
だいちゃんがそんなこと言うの?
「お…俺…男だよ…」
「うん、そうだね…知ってる笑」
ズルいよ…
だいちゃんは………
そんなこと言われると、俺バカだからさ期待しちゃうじゃん。