好きにさせて
第8章 恋人(仮)
それから
茜の手料理を食べ
順番に風呂に入り
2人でソファに座って
酒を飲みはじめた
茜は
ちゃんとパジャマみたいなものを
持ってきてて
俺のパーカーを着ることはなかったけど
茜の部屋着は…
それはそれで
よかった
「そのパジャマも
なんや気持ちえぇなぁ」
茜の着てるものは
いつも肌触りがええ
「うん。
手触りがいいのが好きなの」
「ずっと触ってたなるわ」
そう言いながら
袖を触ると
茜は「もっと触って」
とでも言うように
腕を差し出した
「うれしいなぁ〜。
ずっと触ってたいなんて
ずーっと言ってもらってないから(笑)」
「ほんまか!
俺はずっと触ってたいし
ずっと頬ずりしたいし
これ肴に酒いくらでも飲めるわ(笑)」
「じゃあ、いくらでも」
「ほな膝枕してくれへんか?」
「クスッ(笑)
尚はスキンシップ
多いタイプなんだね」
「あかんか?」
「ううん。
お願いしなくてもいいから
私にはいいかも」
お願い?
そんなことせな
くっついてもらわれへんかったんか
「ならよかった」
それならええやろ
そう思った俺は
茜の答えも聞かずに
膝の上に頭をのせると
茜は
俺の肩に手をのせ
やんわりと肩を撫ではじめた
一応気を使うて
茜に背を向けてる俺から
茜の様子は見えへんかったけど
茜は
俺の誓いを理解してくれたのか
本当に付き合うてんのやないかと
思うてしまうくらい
穏やかやった