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好きにさせて

第3章 出張


今、茜に男が
おらんっちゅうことは
分かったけど
男を作るつもりも
しばらく結婚するつもりもないという
茜の言葉に


「ま、まぁそうやろな。
まだ一人になったばっかりやし」


とは言ってみたものの

正直俺は
少なからず
ショックを受けていた


「じゃあタクシー呼ぶね。
平田くん頼んでもいい?」


「あ、あぁかまへんよ。
明日出張で
俺も早う帰るつもりやったし
家まで送ってくわ」


「助かる、ありがとね」


茜が助かるなら
これくらいなんてことない

もっとなんでも
してやりたいくらいや

俺はそもそも
茜の言う通り
頼られるのが嫌いじゃないし

それが
茜の頼みなら
尚更


「あ、タクシー来たみたい」


「おい、平田」


「・・ん・・おぅ・・」


「ほな、またな」


「うん、よろしくね」


平田が酔っ払ってるせいで
なんやバタバタと帰ることになり

「待ってるね」

という
茜のいつものセリフ
を聞くこともできず

俺は出張へと
旅立つことになってしまった




何とも言えない
ショックを
引きずりながら・・・


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