好きにさせて
第4章 約束
藤沢の言うことは
間違ってない
俺らは付き合うてるわけやないし
どっちからも
好きとか言うたこともないんや
せやけど・・・
「なにかあったの?」
帰り道
並んで歩きながら
藤沢は俺の顔をのぞきこんだ
「なんもない」
「今日は無口じゃん」
そりゃ無口にもなるわ
あんなに
おもいっきり
否定しやがって
「別に~」
「なんやそれ~」
「やめいや~」
「やめへ~ん(笑)」
俺を元気づけようとしてんのか
藤沢は関西弁をマネしながら
俺にぶつかってきた
そんなことされたら
機嫌悪うても
嬉しいやんけ
「やめいって~」
「やめへ~ん(笑)」
「そんなくっついたら
ほんまに付き合うてるみたいやないか」
「え・・」
せっかく
ええ雰囲気やったのに
俺が変なこと言うたせいで
今度は藤沢が
ちょっと静かになった
「あ、いや
変なこと言うた、すまん」
「う、ううん
・・・別に」
「なぁ・・藤沢」
「ん?」
「さっき保健室で」
「うん」
「俺ら付き合うてる言うてたら
保健の先生どんな顔したやろな」