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好きにさせて

第4章 約束

その質問をした頃から
俺の歩くスピードは
ゆっくりになっていった


もっと話してたい

まだ帰りたくない



同じ気持ちなのか
隣を歩く藤沢のスピードも
どんどん遅くなっていった



「・・どうかな・・」



ほんまは付き合いたい

好きやって
伝えたい

けど・・


友達です!!
とかあんなに言われたんや
告白しても
断られるんは目に見えてるし


断られたら最後


こうして
一緒に帰ることも

多分

できんなる



「藤沢…彼氏とかおるんか?」


「い、いないいない
いないよそんな」


「ふ~ん」


そんなん知ってるわ

ほんまは
好きな人がおるかどうか
聞きたかったんや


怖くて
聞けへんけど



「野崎くんは?」


「え?」


「彼女……いるの?」


「おらんにきまってるやんか。
彼女もしおったら
藤沢と帰ったりせぇへんし」


「そ、そう…だよね(苦笑)」


あ、あれ?
俺、なんか変なこと言うたか?

藤沢は明らかに
寂しそうな顔をした


「変な意味やないで?
た、多分やけど
彼女おったら
その子と一緒に帰るんちゃう?
それにほらあれや
他の子とおったら
ヤキモチやかれたりすんねやろ?」


「あ~・・うん。
そうだと思う」



「藤沢・・・

誰かと付き合うたこと、ある?」



「ない」

首を振りながら
そう答えた藤沢は
俺とチラッと目を合わせ
可愛らしい声で
俺に質問した


「ある?」



「ないねん(笑)」



「一緒だね(笑)」

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