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好きにさせて

第4章 約束


「付き合うてみたいと思う?」




「・・・ちょっと思う」





「俺も」







ほな

付き合うてみるか?




いや



付き合うてくれ



いや・・・




ずっと好きやった






色んな言葉が
頭をよぎったけど

結局俺は
どれも言葉にすることが
できないまま

藤沢の家が
もうすぐという
最後の曲がり角に
さしかかってしまった





「な、なぁ」



「ん?」



「喉、乾いた」



「え?」



「ジュース買うてえぇか?」



「あ・・うん」



ただの時間稼ぎや


そんなことしても
数分後には
どうせ藤沢は
帰ってしまう


そんなことわかってるけど

俺は
その数分が欲しくて
たまらなかった








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