好きにさせて
第5章 部屋
俺の名前を呼んだあと
茜は小さく体を震わせて
少し
泣いてるようやった
なぁ茜
お前、何を抱えてるんや
何がそんなに
辛いんや
そう聞いたところで
きっとお前は
何も教えてはくれへんやろうけど
ここまできたんや
俺はもうお前を
ほっとかへんからな
「尚・・」
「ん?」
「ありがと」
涙が落ち着くと
茜はそう言って
俺を
ぎゅっと抱きしめて…
手をほどいた
それは
「もういいよ」
というサインやろう
そう思った俺は
茜から腕をほどき
名残惜しそうに
茜の髪に頬を寄せてから
身体をはなした
「ごめんね?」
気恥ずかしさを
隠すように
茜は俺に謝り
俺は
茜への熱い想いを
知られないように
冷めた酒を口にした
「ごめんやのうて
ありがとうやろ?」
「あ、そうだったね。
ありがと・・尚」
「こんくらいのこと
いつでも・・したるから」
いつでも
何回でも
言うてくれ
「・・うん」
うん…ってことは
嫌やなかったんやな
ホッとしたわ
「あぁ、それから…」
「ん?」
「何時まででも
おってかまへんからな?
俺、さっきまで寝てて
朝まで起きてても平気やし
あ、茜が眠なったら
起きてへんかってもええし
添い寝くらいしてやるしな!」
調子に乗って
俺は添い寝も
アピールしてみた(笑)
「クスッ(笑)」
「なんならコンビニで」
「歯ブラシ買うてもええで?(笑)」
俺のマネをしなが笑った茜が
たまらなく愛おしくて
「せや(笑)」
茜の髪を優しくなでると
茜は優しく微笑んで
俺を見上げ
そんな茜を見ながら
俺は心の中で叫び続けた
したい
したいしたいしたいしたい
めっちゃ
キスしたい~~!!
できへんけど