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好きにさせて

第6章 添い寝


「さ、ほな寝るか」

「え?」

「もうこんな時間やしな」

時計はとっくに
12時を回り
もうすぐ1時になろうとしていた

「あ、でも尚は眠くないでしょ?」

確かに
俺は夜勤明けで
多分朝方まで
寝られそうにはない

けど
茜はもう
疲れてるやろう

茜にとっては
今日が週末やからな


「いや、飲んだから
ちょっと眠いねん。
さ、寝るぞ」


そう言って
俺は茜に有無を言わせず
テレビを消した


「あ、じゃ私
まだ眠くないし
ソファで…」


やっぱりな

茜は
そう言うと思うてたで

けどな、茜

俺はもう
勝手にすることにしたんや


「眠れへんかっても
横になってたら
疲れとれるし
ソファなんかで寝られたら
俺が寝られへん」


そう言って
茜の手を握り
軽く引っ張ると

茜は
少し悩んでるような顔をしたけど
黙って俺についてきた


寝室に入って
布団をめくり
手を繋いたまま
俺が先にベットにあがると

茜は
ベットの脇に立ったまま
俺の名前を呼んだ

「尚…」

「なんや」

「あのね」


「うん」


「私、平気な顔してるかもしれないけど
ちょっと緊張してる」


せやな

茜は
クールに見せるんが
得意やもんな

けど分かってんで

さっきから
耳、ずっと赤いしな


「分かってんで、全部。
せやから
もうあれこれ
気いつかわんと横になれ。
茜が寝るまで
話するだけやから」

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