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桜花楼の恋

第10章 切なき逢瀬

・北山side

起きたときから、なんだか様子が変だとは思っていた。

河合はいるみたいだが…



北「なぁ、どうして塚ちゃんが俺の部屋にいるんで」

塚「横尾の代わりだよ」

北「ふーん」



全く声が聞こえて来ないし。



ニ「ミツ、飯を持って来た」

北「お前が?なんでだわ」

ニ「細かい事は気にしないで、はい食べて」



暫くしたら。



五「はい、おじゃましますよ」

橋「宏光、洗濯物があったら頂戴」

北「はっ?」



すると入れ替わるかの様に。



塚「俺、ちょっと出掛けて来るね後は頼む五関」

五「おう」

橋「僕、洗い物してこよっと」

ニ「そうだ千賀のところへ行かなくっちゃ、ミツまたな」

北「あ、あぁ」

五「チラッ」



出たり入ったり。



北「あのよトッツーは」

五「いつも通り郁人としけ込んでるけど、フッ」



でも全く気配を感じないじゃん、やっぱりどう考えてもおかしいわ。

が、そうこうするうち。



五「はぁーもう夕刻か何もしないでいるのって結構、退屈だな」



何故だか周りが慌ただしくなって来て、障子が開いたかと思ったら。



五「藤ヶ谷、北山、藤ヶ谷が来た!」

北「‥‥っ」



その瞬間!

俺は形振り構わず、廊下へ飛び出していたんだ。




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