桜花楼の恋
第11章 心の架け橋
・玉森side
玉「年明けの春に?」
宮「うん、西の方へね」
宮田のところへ行ったら、次の興行先が決まったことを知らされる。
父「私たちは旅役者」
母「呼ばれたら何処へなりとも行くんです、ニコッ」
父「一ヶ所に留まることはないのだよ、フッ」
玉「そっ」
なら仕方がない、でも。
玉「千賀には?」
宮「まだ、いつとハッキリした事は言ってない」
玉「寂しがるだろうなぁ、ある意味あいつも郭の息子という立場に縛られているのはガヤと同じだし」
宮「‥‥‥」
そう言うと辛そうな表情をする宮田、本気で惚れているんだ分かるよ見ていれば。
ガヤも、ミツの事となるとそうだもん。
宮「一緒に連れて行けたら何度思ったかしれない特に今回は、クッ」
絞り出すような声で発した言葉に、俺の心も胸が詰まる思いがする。
玉「いつから?」
宮「えっ」
玉「そんな気持ちになったのは」
宮「さぁ、フッ」
玉「覚えてないの?」
宮「自然と気がついたら掛け替えのない存在になっていたから」
それって、どういう?
宮「タマを失って心にポッカリ穴が開いたみたいだった俺にとって千ちゃんの笑顔は何よりの救いだった」
兄さま…
宮「あの時はガヤさんが何処の若様とも知らず」
玉「‥‥っ」
宮「何回か芝居小屋に来ているうちに仲良くなってさ」
玉「じゃ」
宮「貰われて行くときも子の将来のために藩の名は伏せておくと教えてはくれなかったから」
玉「それで俺のことを捜してたってわけ?」
宮「だって忘れられるわけないじゃん」
玉「宮…田」
宮「俺のたった1人の弟なんだよ裕太は、クッ」
ありがと、フッ
玉「俺も見つかるかな」
宮「んっ?」
玉「ガヤや宮田みたいに、そう思える相手が」
宮「大丈夫、ニコッ」
玉「‥‥っ」
宮「誰かが思ってくれているはず、もしかしたら自分が気づかないだけですぐ傍に」
俺が?
玉「いつか皆で花見がしたいね?ニコッ」
宮「全員揃ってって事?」
玉「そう満開の桜の木の下で、んふふっ」
宮「いいかも、ニコッ」
その時には、自分の隣にも誰かがいてくれるのだろうか?
いや、いたらいいな…
そう思いながら俺は今度はミツに会うため郭へと向かう。
玉「年明けの春に?」
宮「うん、西の方へね」
宮田のところへ行ったら、次の興行先が決まったことを知らされる。
父「私たちは旅役者」
母「呼ばれたら何処へなりとも行くんです、ニコッ」
父「一ヶ所に留まることはないのだよ、フッ」
玉「そっ」
なら仕方がない、でも。
玉「千賀には?」
宮「まだ、いつとハッキリした事は言ってない」
玉「寂しがるだろうなぁ、ある意味あいつも郭の息子という立場に縛られているのはガヤと同じだし」
宮「‥‥‥」
そう言うと辛そうな表情をする宮田、本気で惚れているんだ分かるよ見ていれば。
ガヤも、ミツの事となるとそうだもん。
宮「一緒に連れて行けたら何度思ったかしれない特に今回は、クッ」
絞り出すような声で発した言葉に、俺の心も胸が詰まる思いがする。
玉「いつから?」
宮「えっ」
玉「そんな気持ちになったのは」
宮「さぁ、フッ」
玉「覚えてないの?」
宮「自然と気がついたら掛け替えのない存在になっていたから」
それって、どういう?
宮「タマを失って心にポッカリ穴が開いたみたいだった俺にとって千ちゃんの笑顔は何よりの救いだった」
兄さま…
宮「あの時はガヤさんが何処の若様とも知らず」
玉「‥‥っ」
宮「何回か芝居小屋に来ているうちに仲良くなってさ」
玉「じゃ」
宮「貰われて行くときも子の将来のために藩の名は伏せておくと教えてはくれなかったから」
玉「それで俺のことを捜してたってわけ?」
宮「だって忘れられるわけないじゃん」
玉「宮…田」
宮「俺のたった1人の弟なんだよ裕太は、クッ」
ありがと、フッ
玉「俺も見つかるかな」
宮「んっ?」
玉「ガヤや宮田みたいに、そう思える相手が」
宮「大丈夫、ニコッ」
玉「‥‥っ」
宮「誰かが思ってくれているはず、もしかしたら自分が気づかないだけですぐ傍に」
俺が?
玉「いつか皆で花見がしたいね?ニコッ」
宮「全員揃ってって事?」
玉「そう満開の桜の木の下で、んふふっ」
宮「いいかも、ニコッ」
その時には、自分の隣にも誰かがいてくれるのだろうか?
いや、いたらいいな…
そう思いながら俺は今度はミツに会うため郭へと向かう。