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桜花楼の恋

第11章 心の架け橋

北「ふーん、宮田がね」

玉「あっ、そうそう今夜は俺が払っておいたから安心して寝てていいよ」

北「はっ?んだっておまえ泊まれねんじゃ」

玉「でも、その分の代金を支払っとけば他の客を取らされる事はないんでしょ」

北「タマ」



それくらい、自分にだって出来る。



北「悪いな」

玉「だけど元気そうで良かった、ニコッ」

北「そうそう情けない姿を見せてられないわ」

玉「んふふっ」



それでこそミツだよ。

芯は凄くしっかりしていて、たとえどんな困難なことでも立ち向かって行く。

そういうところは…



千「タマちょっと探索しに行かない?」



ガヤと同じ。



玉「なにを?」

千「大人になる為の勉強をしに、ニッ」

玉「んっ?」



だから俺は、2人のことが大好きなんだし。



玉「よく分からないけど、それって面白い?」

千「おう、ニコッ」

玉「じゃあ行く」

北「千賀、変なことを教えるんじゃないぞ」

千「あははっ」



それからは━



千「ここ、まずはこの部屋を覗いてみ」



俺は、ちょくちょく郭へと遊びに行くようになる。

ガヤと違って行動を縛られたりすることはなかった事もあり。



千「あの障子から、ニヤッ」



が、そこで。

うわっ、なにあれ?えっ、えぇ嘘おぉーっ

その世界を垣間見ている内…



千「凄いだろ?されてみたいよな、ねっ?そうは思わない」



気づかないでいた自分の心を自覚してしまう事になろうとは、まだ思ってもみないでいたんだ。

人は、誰かを想い思われ心と心で繋がっているんだと。

宮田の口癖━

それさえ失わなければ必ず愛する人と巡り会える。




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