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桜花楼の恋

第11章 心の架け橋

・河合side

全てをぶちまけ嘘偽りのない自分になろう、そう決心した俺は。



「えっ、今なんて」

「若旦那、本気ですか」



自分が男色であること、そして遊郭の太夫であるトッツーを身請けするつもりでいる事を店のもの全員に打ち明ける



河「こんなこと冗談で言うことじゃないだろ」



そしたら━



「跡継ぎはどうするんです」

「男同士じゃ子供はできないんですよ」



当たり前じゃん。



河「養子を貰えばいい」

店「それじゃ血筋が」

河「そんな大層な家柄じゃないさ侍じゃあるまいし」

店「でっ、でもですね」

河「とにかく俺はもう決めたんだ付き合いきれないっていうのなら辞めてもいいんだぜ」

一同「‥‥‥」



ちと強引だったかもしれないが、それでも。



「なら会わせて下さい、その男娼に」



んっ?



「うちの店に迎えるに相応しいと判断したら賛成いたしましょう」



ふーん、そう来たか。



河「分かった今夜一緒に来い」



番頭:福田悠太

親父の代から仕えている、いわばこの店の頭的存在。



「だったら私も」



辰巳雄大、福ちゃんの弟分みたいなもん。



河「他は?」

店「どうする」

店「言ってみるか」

店「興味あるし」

一同「行きます」

河「よし、じゃ決まりな」



ふっ、会って驚くなよ。



旦那「わっ、若旦那!?これは一体どういった事で」

河「あはは、店のもん全員を連れて来た」

旦那「はあっ?」



ドタドタドタ!



番頭「とっとっ、戸塚太夫 大変でございます河合の若旦那が」



そんな大袈裟に言わなくてもいいじゃん、クスッ



戸「おいでま…うっそ!?」



が、部屋の中へ入った途端トッツーは固まってしまってよ。



「かっ、可愛いぃーっ」

「これは参った、アハッ」

「私でも通いたくなる」



こら、手を出すんじゃねぇ



福「初めまして番頭の福田悠太と申します若がいつも世話になっているようで」

戸「俺はなんにもしていないよ」

福「と、言いますと」

戸「河合に救われてるのは俺の方だから」

福「さようで」



トッツー



辰「へぇ郭って初めて来たけど凄いなぁ、この丸障子なんか」



おっ、おい!そっちはダメだ。

と、そのとき。




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