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桜花楼の恋

第2章 最初の試練

戸「みんな、そろそろいい」

河「あっ、そうか」

五「なに郁人?」

河「トッツーは北山の養育係りを頼まれたんだ」

塚「ってことは俺達もしかして、お邪魔ってこと?」

戸「ごめんね」



んなに?こいつらがいたらマズいってわけ。



千「いちおう内部事情だから、ニヤッ」

ニ「そういうお前は知ってるのかよ」

千「おっ、俺は…ははっ‥まだ修行中の身なもんで」



なんだ、それ?クスッ



河「よし、取り合えず引き上げよう」

橋「僕、送ってく」

戸「頼むね、ハッシー」

橋「任して、ニコッ」

五「じゃまたな、フッ」

塚「負けるなよ北山」

ニ「俺が買ってやるから」



いや、それだけは遠慮しとく。

とたん静かになった部屋の中でトッツーが、ゆっくりと口を開いた。



戸「北山、大事なことを教えとくね」

北「なんでぇ?」

戸「俺たち男娼は本気で惚れた相手にしか唇は許さない」

北「‥‥っ」

戸「それは客も承知の上、だから許してしまったら」

北「惚れていると言っているようなもん、そう言いたいん?」

戸「気をつけないと勘違いされないよう」

北「分かった」



その代わり他は、どんな事をされても黙って受け入れなければならない。

なるほど、フッ



戸「初だしのときは広間でお披露目され一番高値を付けた客に買われる」



それから、自分の部屋へ番頭が招き入れ酒を酌み交わし。



戸「布団は既に前もって敷かれているから後は」



抱かれるだけって寸法か。




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